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2004年1月


近所で犬が撃たれた


北海道新聞の朝刊、ローカル面に驚くニュース。昨日、仕事場のごくごく近所の公道で、
二匹の犬が散弾銃で撃ち殺されていたそうだ。一匹は知っている酪農家さんの犬だ。
散弾を二発撃ち込まれていたという。まだ狩猟期(きょうまで)なので、撃ったのは
よそからきたハンターという可能性が大だけれど。それにしてもなあ。



『天下城』ゲラ直し終了。あとは加筆。
もう身体はボロボロ。

04/1/31





ひたすらゲラ直し


『天下城』ゲラ直し続行。午後にはいちおう下巻の最後まで見たので、
次いで保留にしておいた部分の検討に入る。それにしても、上下2巻というのは、さすがの分量です。

編集部からは、カバーの装画家さんの推薦。作品のカラーコピーが送られてきました。
画家さんは、戸屋勝利という方です。戦国武将をテーマに、ずっと連作を描き続けているひととのこと。
秋山峻『信長』の文庫版カバーも戸屋氏の作品だとか。

絵柄、雰囲気、色彩、筆致、あまりにもぴったりなので、驚きました。
わざわざ新しく描いてもらわなくても、すでに描かれた作品を使わせてもらうだけで
よいのではないかとさえ思えるくらいです。



『北の零年』という映画が、吉永小百合主演で製作されるらしい。
雑誌であらすじを読んで驚きました。これって池澤夏樹『静かな大地』そのままです。

淡路島の稲田騒動を扱った作品は他にもあるようですが(船山薫『お登勢』とか)、
日高に移住した主人公がお雇いアメリカ人に感化されて、馬の牧場を拓く。
やがて政府から干渉があって、というストーリーって、まさか関係者、オリジナルだと主張している
わけじゃないだろうな(いや、してます。史実に基づいた物語、とサイトには発表されている。
池澤夏樹『静かな大地』については触れられていない)。

主人公が女か男かなんて部分は些末な点です。
それでいて、観ないうちに断言してしまうけれど、
和人によるアイヌ迫害と収奪については、一切語らない、という作品になるのでしょうね。

04/1/30





特記事項なし


『天下城』下巻ゲラ直し続行。

04/1/29





それってただのオヤジだ

ひたすら『天下城』下巻ゲラ直し。夕方には根の詰め過ぎで、脱脂状態でした。

夜、近所の友人宅に呼ばれて、お鍋。
18歳の青年がきていて、自分の人生のことで迷っている様子。わたし、偉そうなことを
いろいろ言ってしまいました。うるさいおっさんに思われたろうな。反省。



『声に出して読めないネット掲示板』(荷宮和子、中公新書ラクレ)を読む。

2チャンネルの分析から世相を読み解こうとする論考。
わたしは知りませんでしたが、去年の広島の折り鶴放火事件に関して、
2チャンネル上で、燃えた分の折り鶴を折って原爆慰霊碑に送ろうという運動があったのですね。

本書は、主にこの「折り鶴オフ・スレッド」への書き込みを紹介しつつ、
いまの日本の世相を分析しようとしています。部分的には賛同できる見方はあるものの、
正直なところ、結論へ至る論理がよくわからない、という部分も少なくない。

「匿名掲示板は負け組(佐々木注、そう自己認識するひとびと、の意味)の憂さ晴らしの場」
という、本書全体のまとめも、ちょっと乱暴という気がするのだけど。

ただ、2チャンネル文化については、勉強になりました。
これまで、ほかのひとのサイトで「誤字」「変換ミス」だと思っていたものの大部分は、
2チャンネル上の、確立された「公式表記」だったのですね。
どうりでみなさん、同じ「ミス」をやっていたわけだ。



きょうはたしか、推理作家協会の新年パーティだったはず。わたしは、上京の予定をだいたい
2カ月前、航空券の超割が発売になるときに決めてしまうので、なかなかこういうイベントと
タイミングが合いません。けっしてパーティ嫌いというわけではないのですが。

04/1/28




『HERO』を観た

この映画、『英雄』と表記するのが正しいのだろうか、『HERO』でよいのか。
ともあれ、DVDで観ました。チャン・イーモウ監督の、きわめて様式的な武侠映画。

ジェット・リーによって語られたことを、始皇帝(秦国王)が自分の想像力で視覚化した、という
構造の作品ですから、『グリーン・ディスティニー』ではいささかしらけたワイヤーワークも
気になりません。モブ・シーンも見物でした。

チャン・ツィイーも可愛かった。
やはり、わたしも次の時代ものでは、美少女または美しい娘が武術の達人、
という素材に挑戦してみたくなっております。つまり戦闘美少女もの。
もっともかなりカルトなジャンルのようなので、歴史小説を書くのとは
べつの難しさもいろいろあるのでしょうね。


関連した話題です。雑誌の広告で『ヘブン・アンド・アース、天地英雄』という中国映画が、
2月公開だと知りました。中井貴一が出演して、遣唐使の日本人役をやるのだとか。
去年の東京国際映画祭で上映されたようなのだけれど、わたし、まったくこれについて
情報を持っておりませんでした。評判になった映画なのでしょうか。

遣唐使、西域、というこの映画のキーワードふたつに、激しく反応してしまいます。
監督はこれを「『グリーン・ディスティニー』ではなく、『グラディエーター』だ」と言っているとか。
楽しみです。ただ、「アカデミー賞にノミネート予定」という宣伝文句はどうなんだろう。
アカデミー賞の候補になるのって、そういうシステムじゃないでしょう。

韓国映画の『MUSA』という作品も、早く観たくてたまらない。

なんたって、映画館のある街まで120キロ、車で2時間かかるという土地ですので、
新作映画についてはいつも、かなり飢餓感がありますね。ビデオやDVDになるのを
待っていると、公開から半年後ですし。 


同業、内山安雄さんからメールがありました。先日、独立戦争中のクロアチア、ザグレブに
いたことを書きましたが、同時期、内山さんはプレス・カードを取得して最前線にいたらしい。
フットワークのよさは、さすが内山さんだなあ、という印象です。


きょうは小説新潮別冊、警察小説特集の中編『逸脱』のゲラ戻し。

『天下城』ゲラ直しも下巻に入りました。

04/1/27





『英龍伝』再取材


『英龍伝』の加筆部分のため、再取材として、伊豆の戸田村と下田に行っておりました。

連載では、クライマックスをペリー再来航の場面に設定したのですが、江川太郎左衛門英龍は、
そのおよそ1年後に過労死するまで、なお歴史的にも意義のある仕事を担当しています。
とくに、難破したロシア海軍ディアナ号に代わるスクーナー型洋式帆船を戸田村で建造したこと、
下田を開港場としたこと、の2点は、単行本であれば、やはり簡単な記述ではすみません。

それで先週末、戸田村(初めて)と下田(もちろん初めてではありません)に
行ってきた次第。下田は、開港記念館(下田郷土資料館)を見るのが主眼。

戸田村の造船博物館で、ディアナ号と君沢型スクーナーの模型を観ることができたのは
収穫でした。
ところが、下田の開港記念館のほうは、もし博物館ミシュランのような格付けがあるとしたら、
星なし、あるいはbマイナス・マイナスぐらいかと思うぐらいに、噴飯もの。

館内は写真撮影禁止。もし禁止する場合は、展示品解説が売られていることが条件に
なるはずですが、観た後にミュージアム・ショップ(ただの土産物屋です)で訊ねても、
そんなもの売っていない。発行していないのです。だったら、メモを取るのでした。

また、この博物館、下田のお祭を再現した人形群が最大の目玉なのです。
でも「開国記念館」を名乗るなら、この展示は、不必要とは言わないものの、
予算のかけかたが間違っています。日本の何十大祭りだかのひとつと自慢している
ようなのですが、アイヌの熊まつりなどの写真と較べて見せて、それがいったい何なのだろう。

ペリー、ハリスの展示には力を入れていますが、お祭り展示以外では唯一の人形と模型が、
吉田松陰とその獄舎、という選択もよくわかりません。
吉田松陰(下田には銅像も石碑もありますが)と下田との関連は、下田は松陰が密航を企てて、
失敗した場所、というだけ。人形まで作って展示するほど、下田と関連のある人物でしょうか。

博物館展示のコンセプトは、開国・近代化という歴史の大きな流れに対して、
徳川幕府をこれに逆らう「保守反動の圧政政権」と捉え、
幕末の「偉人」のひとり吉田松陰を、その被害者として紹介する、ということなのでしょう。
でも、こういう歴史観自体、薩長・京都側のものです。

吉田松陰は、江戸湾から下田に回航したペリー艦隊に接触し、密航を頼みこみます。
しかし、外交トラブルを抱えることを嫌ったペリー艦隊側は、これを拒絶。
吉田松陰は浜まで引き返しますが、浜に残した身の回り品がなくなっていたので
手配されたと思い込み、奉行所に、密航を企てた、と自首して出て、お縄となります。

この密航の嘆願(佐藤孝行という自民党の代議士が、なんとかいうボス議員の
事務所を訪ね、秘書に使ってくれと何日も正座して動かなかった、というエピソードを
思い出します)とか、浜に身元を明かすような物を残すとか、あっさりと自首して出るとか、
松陰のこの密航企画そのものが、なんともナイーブな行いと感じられます。



そういえば、売店の壁には、ポスターが貼ってありました。
「北海道に坂本竜馬博物館を。北海道坂本竜馬博物館設立促進委員会(?)」

北海道になぜ坂本竜馬博物館ができなくてはならないのでしょう?(竜馬の姉の一族が
十勝に入植したという話は聞いたことがありますが、竜馬と直接は関係がないことでしょう)。
こんな発想、埼玉にビートルズ記念館だか博物館があるのと同じくらいに滑稽で、
あさましいことだと思うのですが、こんなことを書くと、また竜馬ファンからWeblogのほうで
攻撃されますか。


21日の近況を書いたあと、そういえば獣医さんとは話をしたことがあったと思い出しました。
あの日は、そのことを思い出せませんでしたね。


この「近況」を、なんとかWeb上で更新できるようにしたいと考えています。でも、CGIの知識が
必要らしい。いまから勉強している余裕がありません。近所で、詳しいひとはいないでしょうか。


『天下城』ゲラ直しと加筆が終わるまで(2月上旬まで)、面会謝絶です。本気。

04/1/26





禁断症状


今月は、あの猛吹雪で3日間閉じ込められたときも含め、ひとに会っていない日が
ずいぶん続いています。考えてみると、8日に友人たちと少しお酒を飲んだのを最後に、
まったく社交がない。町まで買い物に出たのが、3回くらいか。あとは、宅配便のドライバーさんとか、
郵便配達さんがきて、おとつい久しぶりに昼間に来訪客。これだけです。

つまり、ほぼ2週間、ひととの接触が事実上なかったということになります。
こんな生活がひとの精神にいいわけがなく、いろいろ禁断症状も出ている。

まず、雑踏。ひと恋しい。ひとの姿を見たい。
ついで、会話。これに必要不可欠なものとして、お酒。「とりあえず、ビール!」

それから、消費。つまり買い物ですね。
わたし、本以外はふだんからろくに買い物もしないのだけど、
いまは無性に何か衝動買いがしたい。といったって、限度額がいろいろな方面から
定められていますから、たいして高額なものが買えるわけではないのですが。

デジカメ、買おうかな。



『明治維新と西洋文明、岩倉使節団は何を見たか』(田中彰、岩波新書)を読む。

岩倉使節団のレポート『西欧回覧実記』の検証です。
なんとなくわたしの頭には、岩倉具視以下、明治政府中枢の面々のあの長期海外視察が、
彼らを極端な西欧崇拝主義者にして、お恥ずかしい鹿鳴館時代を作ったのだ、
という印象があります。

この本は、その先入観を排して、使節団が見たことの中には、その後の「大国指向」
「富国強兵」「脱亜入欧」路線とはちがう日本の近代化のモデルがあったことを明らかにします。

それにしても、中江兆民は、岩倉使節団の西欧カルチャーショックについて、
こんなふうに評していたのですね。
「はじめ驚き、次は酔い、ついには狂う」

この『回覧実記』を実際に執筆したのは、もちろん岩倉具視ではなくて、
後に皇室不敬を理由に帝大を免官された、久米邦武という人物。
久米の皇室不敬事件というのは「神道は祭天の古俗」と主張したせいだと言うから、
相当に骨のある人物だったわけです。



きょうは、ここまでに停電が2回。雪が降っています。
今夜から明日の夜にかけて、北海道全域、大雪か吹雪の予報。
予定にいろいろ支障が出るなあ。

04/1/21






お見舞いに多謝


きょうはわたしの精神状態を気づかうメールが何通も。ありがとうございます。
たぶんわたし、切れると庭じゅうに薪を放り投げたり、犬にあたりちらしたり、
突然訪問してくるセールスマンにかみつく、と思われているのでしょうね。
それは、大部分、伝説、です。



『天下城』ようやく上巻のゲラ直し終わり。けっこうな作業量です。ふう。



4年に1回、アメリカのアイオワ州デモインという街が話題になります。
民主党の大統領候補を決める最初の予備選がある街だからです。
ただ、とくに有名な観光スポットがあるわけでもなく(『マディソン郡の橋』は近所ですが)、
行ったことのある日本人はあまりいないと思います。
でも、わたしはこの街にちょっとした思い出がある。

91年10月、わたしは、当時シカゴに住んでいた妹夫婦を訪ねるため、ロサンゼルスから
レンタカーで出発し、毎日フリーウエイを数百マイル走っていました。
いよいよ明日はシカゴに着くという日の夕刻です、デモインを30マイル過ぎた
ニュートンという町で(つまりこのときはデモインはただ通過しただけ)、
交通事故を起こしてしまった。

そろそろモーテルに入ろうとフリーウエイを降りて、モーテルの駐車場に車を入れようとした
ときです。左折信号の赤を見落とし、直進が青なので、すっと車を左折させた。
そうしたら、目の前に乗用車。ドッスーンです。わたしの車ははじき飛ばされた。

電柱に激突しそうになるのをなんとか避けたところで停止。車から飛び下りてみると、
歩けます。大怪我はしていなかった。その日もたしか400マイル以上走って、
完全に注意力がなくなっていたのですね。

さいわい、相手方にも怪我はなし。相手のドライバーは信号を指さして、「あんたが赤で
曲がってきたんだぞ」と怒鳴っている。わたしは素直にうなずいて謝罪。

数分後、警察車がやってきました。その場で事情聴取。「信号を確認したか?」
ノーと答えることはできず、ちょっとずるい返答。「 よく覚えていません」
「見てないのだね。警察署まで行こう(任意同行ですね)。弁護士を呼んであげるよ」

わたしは生まれて初めて、アメリカの警察のパトカーに乗せられ(それも助手席)、
町の警察署へ。15分ほどで弁護士さんがやってきて、警官と何事か話したあとに言います。
「相手の損害は保険がききます。信号無視を認めれば、罰金は150ドル(意外に安い)。
ここで払ってもいいのですが、来週火曜日、この町に巡回判事がきますので、
裁判所で不服を申し立ててもいい」

少し考えました。物書きとして、アメリカで裁判に出るという体験も貴重かもしれない。
うまく行けば、それで短篇の一本も書ける。
でも、シカゴ目前で時間をつぶしたくはなかった。わたしはその場で罰金を払うことに。

レンタカー会社や保険会社、修理工場への連絡、その他の手続きも、
全部その弁護士さんにやってもらった。
弁護士さんが言います。「わたしの弁護士費用が450ドルです」(こっちのほうが高かった)。

事故の処理が全部終わったところで、さらに弁護士さんは言いました。
「この町にも、ひとり日本人が住んでいます。会いたいですか」
ええ、ええ、もちろん。

案内されて行ってみると、福生でアメリカ軍の将校と結婚したという女性でした。
ご夫婦とも、たいへん歓迎してくれて、泊まってゆきなさい、と言ってくれます。
モーテルにはチェックインしていませんから、そのまま好意に甘えることに。やがて
デモインのデパートに勤めているという娘さんも帰ってきて、旅のトラブルは一転して、
とても珍しく、かつ楽しい体験になった。

翌日は、デモイン空港のレンタカーの営業所までご夫君に送ってもらい、代車を借りて、
わたしはデモインを後にしたのでした。

ちなみに、わたしの『ハロウィンに消えた』(角川文庫)に出てくるパクストンという架空の町は
このデモイン郊外ニュートンがモデルです。登場する警察署長のモデルはあのご夫君。
転んでもただでは起きない小説家、の典型ですね、わたしは。

04/1/20





北海道の端っこで、バカとさけぶ


わたし、切れかかっているみたいですね。いえ、理由はたいしたことじゃないんですが。
ずっとひとに会っていないことも一因かな。お酒が飲みたい。



『天下城』、まだ上巻の直しが終わりません。

04/1/19






『イラクの中心で、バカとさけぶ』


先日紹介した橋田信介氏の最近作『イラクの中心で、バカとさけぶ』アスコム。
昨日、Amazonからと、アスコムからと、二冊同時に届きました。出版社からのは、
橋田さんの心遣いでしょう。橋田さん、ご恵贈ありがとうございます。

アメリカの対イラク戦争のとき、日本の大手メディアはすべてバクダッドを退去していました。
NHKはヨルダンから見てきたようなコメントを流していたし、カタールから米軍の
従軍記者のかたちで、ただ米軍発表を伝えるためにバクダッドに向かった大手メディアの
特派員も多い。いずれにせよ、爆撃下、危険なバクダッドにいたのは、フリージャーナリストだけ。
橋田氏は、その代表的なひとりでした。日本人のジャーナリストとしては最年長(61歳)。

この本は、ひょうひょうとした文体で、日本に数少ない戦場ジャーナリストの
心意気を伝えてくれるバクダッド・ルポルタージュです。同時に、大手メディアと
フリージャーナリストの構造的問題をも(告発口調ではなく)教えてくれる。
『ちょっとピンぽけ』21世紀版、と書いたらおおげさすぎるかな。



かつてわたしは、内戦下の旧ユーゴ連邦、クロアチアのザグレブまで行ったことがあります。
ベルリンで自作書き下ろしの取材をしたあと、ウィーン経由でローカル列車を乗り継いで、
二日がかりで入ったのでした。当時、ユーゴの空港はすべて閉鎖、飛行機便はなし。
この時期、すでにスロベニアは独立を果たしており、クロアチアが連邦からの離脱を求めて、
ユーゴ連邦の中央政府と激しく戦っていた。

前線に行くには、このときはクロアチア政府の許可がなければ駄目となっていて、
実際、手段もない。ところが、ザグレブ市内のホテルに設けられたプレスセンターに行ってみると、
「英語ができる」「車がある」と、ガイドのチラシが壁にいくつも貼ってあります。

少し考えた末、前線まで行くのはやめにしました。こちらにはユーゴ内戦を取材してやるという
強烈なモチベーションがなかったものですから。それに、その日の午前中、空襲警報が鳴って、
大統領府近くの建物(つまり攻撃目標のそば)の防空壕で、
1時間あまり怖い体験をしたのもきいていました。

橋田氏の苦労話を読んで、そのときのことを思い出しました。

ザグレブを出て、スロベニアの首都リュブリアナの中華料理店でひとりで食事をしていると、
若い日本人が声をかけてきました。こちらにはどうしていらしたのですか、と問われたので、
わたしは、観光、と答えたのですが、相手は吹き出しましたね。いまの時期ここに観光でくる
ひとはいないでしょう、と。

翌年の共同通信入社が決まっている学生で、入社前に世界を見ておこうと、ヨーロッパ旅行に。
そしてとうとう旧ユーゴにまで入ってしまったのだ、ということでした。
一応アドレスを交換したはずなのだけど、そのメモが見つからない。彼はいま、
共同通信で何を担当しているのかな。



『天下城』ゲラ直し、続き。四分の一くらいまで行っただろうか。

04/1/18





孤立した町


今朝届いた北海道新聞で知ったのだけど、吹雪のあいだ、阿寒湖畔だけではなくて、
標茶町、弟子屈町も完全に孤立していたのですね。道路の通行止め情報だけでは、
そこまで想像できなかった。阿寒湖畔は、ニュースでも地名が出ていたのですが。

しかしいまの日本でも、人口5、6千人クラスの町が孤立する、という事態はありうるのですね。
これならかなり大きな設定のパニック小説も書けそうです。キングにもいくつかなかったろうか。
初期の中編『霧』が印象的ですが。



週刊新潮にNHK『新選組』第一回の中身が紹介されていました。
これを読んで驚いた。じつはわたし、開巻直後(ほんの5分ぐらいのつもりでしたが)を
見逃していたのだけど、開巻の時代設定は1854年ではなく、1864年だったのですね。
京都で桂小五郎らを急襲したシーンがまず最初にあったのだとは。
恥ずかしいことを書いてしまいました。



恥ずかしいことをもうひとつ。わたし、体調不良の馬を膀胱炎だと思い込み、ここにも
そう書いてきた。検査結果が出て、獣医さんにちがうと言われたあとも、便宜的に。

というのも、馬の身体のある部分の腫れが引いていないからなのですが、
きょう馬の様子を見ていて、とつぜん気づきました。ちがう、これは膀胱じゃない、陰嚢だと。
どうりで最初、獣医さんとの話が噛み合わなかったわけです。

いったいなぜこんな「呼びちがい」をしてしまったのだろう。

苦笑しつつ思い出したのは、2chのこのスレッド
以前、話題になりましたね。まだ、残っていました。
初めてのひとは、くれぐれも職場では読まないでください。面白いのは82まで。



『天下城』ゲラ直し始める。きょう一日かかって、プロローグを数ページ進んだだけ。
プロローグで予告していたにもかかわらず、書き切れなかったエピソードがかなりあります。
これらの予告部分を削って、全体の整合性を取るため慎重に作業。
このプロローグ部分を抜ければ、あとは一気呵成に行けると思うのですが。
とはいえ、上下2巻分です。加筆もあるし。ううむ。

04/1/17





猛吹雪一過


いやはや、大変な猛吹雪でした。
去年も三日間閉じ込められた吹雪が二回あったと思うけど、規模は断然、
今回のほうが大きい。何より、雪の量がちがいます。それも、重い湿雪。
除雪の効率も、ひどく悪かったことでしょう。

阿寒湖畔のホテル街が完全に孤立だなんて、狭い日本のこととは思えないくらいです。

きょうは、空は晴れたけれども、ときどき地吹雪が吹いた。どっちみち町の中も、道路や
駐車場は除雪ができていないと思えたので、外出はせず。
人間が食べるものはあるけれど、ドッグフードが缶詰しかなくなってしまいました。

朝、仕事場まわりの除雪。アプローチと駐車場は、向かいの酪農家さんが2回に分けて
やってくれましたので、わたしは犬小屋を掘り出し、車を出せる状態に。
30分もたたずに息が上がってしまった。真冬の暮らしは、さすがちょっときつい。



日経マスターズ『英龍伝』、5月刊行で決まりそうです。ただし、原稿が連載12カ月分の
360枚しかない。歴史小説として単行本にするには、かなり加筆の必要があります。
これを『天下城』の加筆のあとに続けてやるとすると、わたし、『うたう警官』の続きは
いつ書いたらいいのだ?
小説新潮の中編、『うたう警官』のいいブースター・ロケットになったかと思ったのですが。

昨年の一時期、友人の事務所が秘書業務を受託してくれましたが、今年はこれを
もっと積極的に利用するしかないな。

また『うたう警官』を終えたところで、毎日新聞エイジャン・ノワール・シリーズの取材旅行を
予定していたのだけれど、どうしよう。『うたう警官』が終わっていなくてもやるか、
それとも終わってからにするか。
終わりを正確に予測できない以上、たとえ『うたう警官』の途中でも、
取材に行ったほうがいいとは思うのですが。

04/1/16





小説新潮、原稿送り

外は猛吹雪2日目。朝の9時に震度3の地震があったようなのだけど、そのことにも
気づかないぐらいに強い風が吹き続けている。風で揺れているのだか、
地震のせいか区別がつかない、という状態も、恐ろしいものです。

道東エリア、ほうぼうが停電しているらしく、わたしも停電が心配で、原稿の
パックアップをこまめに取りつつ小説新潮最終仕上げ。午前中には念のために、その時点までの
原稿を編集部に送っておきました。メールも使えなくなるという事態が想定できましたので。
午後に最終稿として送稿。

警察小説特集号、ということは、ほかの作家さんとの競作ということでもあるわけです。
ほかの方々が何を書くのか、全然聞いてはいないのだけど、わたしは北海道警察本部の
駐在警察官を主人公にしました。素材はとても地味です。



原稿を送ったけれども、猛吹雪で道路は閉鎖、外出不能は続いていますから、
温泉に行ってビール、というプチ打ち上げもできません。
赤ワインが一本あったので、地下の書庫でこれを飲む。
シベリウスを片っ端からかけながら、ミステリを一冊。ドナルド・E・ウェストレイク『鉤』

これはニューヨークの出版業界が舞台。売れなくなった作家と、書けなくなった作家が、
共謀してとある犯罪を実行し、さてその後は、という作品。
ミステリとしてはこの結末でよいのかなあ、というのが正直な感想です。
ただし、主人公たちの悩みにはとても共感できて、楽しみました。



13日のお昼に獣医さんと話しをしたきり、2日半、まったくひとと会っておりません。
へたをすると、今回も明日のお昼まで72時間、誰にも会わないということになりそうです。



メインのPCが不調。このところひんぱんに「落ちる」。最初はごく短時間の停電があったのかと
考えたのだけど、違いました。停電はしていない。
それで、システム復元。ところが、メールのデータがその時点までで消えてしまった。
システム復元では、データは消えないはずではなかったっけ。あわてて復元を取り消す。
ブラウザの一部の機能も使えなくなっていますが、これも同じ不調の症状のひとつなのだろうか。

04/1/15





ボロボロじゃい


小説新潮、警察小説特集号は明日締め切り。
わたしは久しぶりに、「狂気のクリエーター」というか、「鬼畜」というか、人間じゃない
状態で仕事してます。想像力をクスリに求めるアーチストのようでもある。
わたしの場合、クスリの代わりは、とことん「ためる」こと。噴出力を上げるために
コンプレッサーに「圧」をかける、という状態にもたとえることができますか。
これを仕事をするうえでのエネルギーとしていますね、いま現在。

昨夜は深夜3時にはベッドに入ったのですが、頭は冴えて眠れず、しかも
猛吹雪。震度2くらいの強さで風が建物を揺らしています。眠れるものではない。
けっきょく眠りについたのは、午前6時くらいでしょうか。起床は朝8時。

つまり2時間眠っただけで、またきょうも深夜(いまこれを書いているのは午前1時)まで、
やっております。頭は猛烈に動いておりますが、ちょっと頭痛も感じてきている。
ブツン、と血管が切れることを想像すると怖いのだけど、明日の締め切りは伸ばすわけには
ゆきません。でも、あと2時間やれば、終わるかな。

鬼畜状態のところ、うまいことに外は猛吹雪で、わたしはきょう、犬小屋までしか出ていない。
郵便配達も休み、ヤマトの宅急便からも、すみませんが明日にさせてくださいとお詫びの
電話がきた。こんなふうに降りこめられた日は書けます。

スティーブン・キング『ミザリー』は、作家としてのキングの夢を描いた作品です。
つまり、隔離された環境と、怖いが読み方は的確という編集者、のふたつが
切実に欲しいという夢。このふたつをくれるなら、脚なんぞなくなってもいい、ということですね。

明日、原稿を送ったら、温泉に行ってビールが飲みたい。

ほんとはこのあと、近所のペンションに二泊ぐらい自主缶詰ということも考えていたのだけど、
飼い馬の膀胱炎が治るまでは、ここを空けられないな。



04/1/14





表記は『新選組』でしたね


ふと気がつきましたが、NHK大河ドラマは『新選組』の表記を採用しておりましたね。
法人登記とかロゴタイプという概念のない時代のことなので、どちらが正しいということも
ないのでしょうが。



膀胱炎の馬の件、きょうやってきた獣医さんが血液検査の結果を教えてくれました。
腎臓は心配なし、全体にいくらか高めという数値はあるものの、大病ではないようです。
あと数回抗生物質を投与し、もしそれでも回復しない場合は、竿(ペニスのことですね)が
汚れて細菌が繁殖している可能性がありなので、洗浄するとのことでした。



また吹雪の予報ですが、午後から雨です。この季節の雨は珍しい。
さすが、いま(零時前)は湿雪に変っていますが。

きょうはちょっと、近況をこれ以上書く余力なし。

04/1/13





『新撰組』再び


幕末史を映像化しようとする者にとって、たぶん困った問題は、この時代、登場人物を
「保守と進歩」「頑迷と開明」といった軸では単純に分類できないことでしょうね。
軸がよじれによじれており、あまりわかりやすい映画にはならない。
『ラスト・サムライ』成功の理由のひとつは、外国人だから可能だったあの単純化です。

小説であれば、時代の複雑性も、ある人物の多面性も混乱も、
もう少していねいに解釈し描き出すことができると思いますが。

新撰組はこれまでおおむね、武士道という時代錯誤の精神に殉じたアナクロな男たち、
という視点で描かれることが多かった。新撰組側から描いた作品であっても、
それは変りません。『ラスト・サムライ』同様、そのアナクロニズムにこそ美がある、という
描き方です。

わたしは必ずしも新撰組をそうは解釈しないし、幕府伝習隊士官服姿の土方歳三の写真などを
見ると、このひとはたぶん近代的合理性も血肉化していたひとなのだと思える。

総髪、洋装があれほど様になっているということは、その精神性がすでに近代を
呼吸していたからです。少なくとも、戊辰戦争が始まって以降の土方歳三は、
もはや多摩の剣客のイメージをひきずった土方歳三ではありません。

さて今度の大河ドラマでは、『新撰組』はどのように描かれるのでしょうか。
第一回を観たかぎりでは、近藤、土方らは、「近代」をいち早く知ったことによって、
攘夷派浪士たちを「進歩」「開明」の側から信念を持って弾圧していった男たちと
描かれるのかもしれない。

しかし、「尊皇攘夷」「勤皇の志士」といった言葉にうっとりしてしまう視聴者もまだまだ
多いこの時代、攘夷派浪士たちがアナクロの「テロリスト」と設定される可能性は、
低いだろうとも予想できます。するとやはり三谷幸喜は、予告編の近藤の台詞
「武士よりも武士らしくなる」という言葉に象徴されるような、
「滅びゆく頑迷な保守の男たち」として、新撰組を描いてゆくことになるのでしょうか。

『ラスト・サムライ』がこれだけヒットしているいまですから、
そのコンセプトが受けるのはまちがいのないところですが。

ペリー再来航のときから、という意表を突く開巻だったので、あまり期待していなかったの
だけれど、しばらくは観ることになるかな。



きょうは快晴。日中の気温も上がりました。
膀胱炎の馬は多少元気になっているように見えるけれども、
これは単にお天気なので動き回りやすいから、ということなのかもしれません。
雪の放牧地を蹄跡に従って歩いてみると、何カ所かに新しく血尿の痕。
少しは赤みが消えた、と思いたいけれども、この判断は当てになりませんね。



小説新潮、中編続行。

なんとかこちらに目処をつけて、先月知人が引き取ったマルイチテイオーの様子を見に
ゆきたいものです。暖冬なので肺炎の心配はないと思いますが、せっかく引退後の余生を
この土地で過ごすのですから、健康なまま、青草繁る春を迎えてもらいたい。

04/1/12





吹雪、大雪


大雪と言っても、倶知安ほどではありません。30センチ前後の積雪。
午後、少し風が弱まったところで獣医さんに電話し、きてもらう。
でも視界不良のため、獣医さんは仕事場アプローチのところで雪の中に車を
突っ込んでしまった。お向かいの酪農家さんにトラクターを出してもらって救出。

膀胱炎の馬は、きょうはかなり動きも活発。注射も嫌がる。
よくなっている、という証拠でしょう。明日一日、様子を見ましょうということに。



NHK大河ドラマ『新撰組』第1回を観ました。物語の始まりを、ペリー再来航の年に
設定したのですね。佐久間象山、桂小五郎、坂本竜馬といった、幕末のビッグネームが
いろいろ登場して、その関係づけの具合は楽しめました。

来週以降の、野田秀樹の勝海舟も楽しみです。でも、どうせここまでやるなら、
江川太郎左衛門、斉藤弥九郎、中島三郎助らも出してもらいたい。
せっかく佐久間象山を出すなら、江川太郎左衛門との対立を無視することはない。
また、剣客・斉藤弥九郎と近藤勇との立ち会いなんて、史実にはありませんが、
観てみたいものです。

ただ、近藤勇たちに、こんなに早くから「近代」を見せてしまって、大丈夫なのだろうか。
その後、近藤勇らの新撰組結成と京都治安維持の行動について、
すでに近代と出会った男、としての世界観との整合性は取れるのだろうか。
脚本家の立場になって、そこを心配。



大型視線誘導標は、日中は吹雪の中でも点灯せず、夜になって吹雪も収まったころに
点滅を始めました。誤作動というよりは、センサーの設定を変えたのかもしれない。
春まで待とうと思っていましたが、近々問い合わせる必要があるようです。



目の使い過ぎか、軽い嘔気。きょうも小説新潮、続き。
生活時間帯が、かなり深夜側へシフトしています。

04/1/11





物議をかもす提案


北海道新聞を講読している方は、あるいは読まれたかもしれません。
5日の全道版夕刊のコラムで、わたしは道営競馬の場外馬券売り場増設の問題から
筆を起こして、道営競馬の廃止を提案しました。

これが、道営競馬の公式サイトの中、ファン同士の掲示板で、ちょっと問題になっています。
Weblogにも同じ話題を書いたので、こちらのほうで、Weblogの読者さんが教えてくれた。

関係者にしてみれば、かなり気に障る提案であることは想像できますが、もう少し書けば。

去年でしたか、たしか新潟競馬の廃止にともなう、とある厩務員さんの人生の暗転を、
某民放局がドキュメンタリ.ーとして放送していました。でも、関係者に余力のあるうちの
撤退なら、関係者全員が路頭に迷うということにはならないはずです。
あそこまで追い詰められての廃止は、かえって傷は大きいのではないだろうか。

わたしは道営競馬は、北海道の財源事業としてすでに役目を終えたと思いますし、
このまま赤字補填を許しておくほど、道民の気持ちに余裕はないだろうとも想像しています。

ならばむしろ、いまのうちに道営競馬関連業界を、新しい産業創出の方向へ
誘導していったほうがよいと考えている。
北海道は馬産地ということもあって、それは現実的な選択肢です。

そのことを、コラムでもWeblogでも書いているのですが。

ただし、こういう提案をしたわたし自身は、隠す気はありませんが、ギャンブルとしての競馬が、
そもそもあまり好きではありません。

もっとも、あれは賭けというよりは、物語(馬の人生)への人気投票だ、という言い方があって、
それはそれでわからないでもないのです。ですから、中央競馬まで否定してはいないのですが。

また、競馬産業への偏見、という問題についても、もう少し書くと。
わたし、たぶん以前にもこのサイトで、自分は「博労」という言葉を差別的意味で使う、
と書いたと思います。

馬を飼っているせいで、わたしは競走馬のオーナーとか、生産者、ブローカーといった
競馬業界関係者とは、ふつうの日本人よりは接触があります。

その結果、作られた認識があって、「どこそこのラーメンはうまい」と、
グルメ番組に出てくるタレントが言う程度の力強さで、競馬業界はこうだ、と言える。
競馬業界の関係者とはどんなひとたちなのか、その最大公約数を言うことができます。
(ありがたいことに、いまわたしがおつきあいしているのは、業界の例外に
属するひとだけですが)。その認識もベースにしたうえでの、道営競馬廃止の提案なのでした。

ま、この問題で、Weblogのほうが荒れなければよいのですが。



飼い馬の膀胱炎、きょうは治療二日目。昨日の注射がきいたのか、馬は昨日よりも
少し元気になっています。でも、あと三日、抗生物質を射つ必要があるとか。
天気予報では明日はまた吹雪。
獣医さんは、「もし道路が閉鎖の場合は、佐々木さんが射ってください」と、
注射器、薬をひと揃い置いてゆきましたが、そりゃ無理だよなあ。

馬の話題が続きましたね。



小説新潮、中編続行。

04/1/10





猛吹雪一過


吹雪の夜が明けて、きょうは快晴。風もなし。気温もぐんぐんと上がる。
お隣の酪農家さんが、トラクターにブロアーをつけて、公道から駐車場までを
除雪してくれる。わたしはスコップで家回りの除雪。
降り込められて仕事がはかどった次の日は、この除雪作業から一日が始まります。



新雪が適度に積もった日というのは、じつは乗馬日和でもあります。
きょうは、わたしの2004年騎乗初め(乗り初め)。

明け4歳のセン馬の次郎にも、きょう初めてまたがりました。
専門のひとに馴致をまかせていたのだけれど、まだ終わらないままにうちに戻ってきた。
そろそろ大丈夫かなとは、とは思っていたのですが、わたしは、未調教の馬に
派手に振り落とされた経験がある。試すには、ちょっと怖かった。

でも、きょうは馬場は新雪。落ちたって大怪我はしません。
で、裸馬の状態でまたがってみると、次郎はもう平気なもの。乗れました。
初期馴致は、もう完成しています。ここまできているのなら、わたしは今年、
次郎の調教を自分のエクササイズ代わりにすることにしてもいいな。

きょう気づきましたが、牧場にいる3頭の馬のうち、1頭がどうやら膀胱炎の気配。
血尿が出ています。共済組合に連絡すると、すぐに獣医さんがきてくれました。
抗生物質の血管注射。明日も抗生物質を射つそうです。
病名は血液検査の結果待ち。腎臓病でしょうか。



追記。
昨晩はここに、例の自発光式大型視線誘導標への不満を書いたのですが、削除。
これについては、愚痴っていないで、あらためてきちんと行動することにしました。
春がきたところで、当地の土木現業所に出向きます。



小説新潮、警察小説中編、続行中。

03/1/9





今季一番の猛吹雪

朝方から吹雪。たぶん今季一番の強さでしょう。
夕刻にはこの地方、国道はほぼ全面閉鎖となったようです。ただ、5時ごろ外に出たとき
飛行機の爆音は聞こえた。空港は開いていたのかな。

吹雪に降り込められて、仕事が進む。
来訪者も宅配便の配達もなし。誘いもないし、その可能性を考える必要さえない。
この集中が破られたら、という不安を感じないせいか、気分も落ち着くのですね。
電気とインターネットさえあれば、この状況は快適です。



隣町の小ホテル、ヘイゼルグラウス・マナーは、今月20日から2月一杯は冬季休業。
こういう時期に、管理人、という名目であのホテルに滞在できたら、最高でしょうね。
つまり、『シャイニング』のジャックをやる、ということですが。

わたしは、お化けが見えたり、余計なものを感じたり、という感受性はゼロなので、
その気になれば、上高地帝国ホテルの冬季管理人だってやれる。

もしやった場合、経験から予測するに、生産量が通常の20%増しぐらいになるはず。
いや、一日あたりの生産量はさほどの増加ではなくても、集中が途切れないはずなので、
ひと月あたりの生産量が3割はアップするでしょう。

こんなことを考えていること自体、もしかしてこの吹雪でも集中できていない証左か?



西木正明氏から、先日の中国親善旅行のビデオとDVDが届きました。
西木氏が、旅行の記録係だったのです。ずっとビデオ・カメラをまわしておりました。

20分ほどの長さにまとめられておりましたが、雲南省昆明のチベット料理店での
「盆踊り」のようなダンスのシーンは、延々と5分ばかりも収録されている。
店のひとに引っ張り出され、三好団長らがはやす中、わたしと、講談社M氏とが、
踊り子さんたちの輪の中に入って一緒に踊ったのでした。

記録するほどの価値のあるものではないのですが、ま、観るひとによっては、
大笑いできるかもしれません。

04/1/8





マイナス20度


暖冬、という予報はこれまでのところ当たっていますが、それでもさすがにこの時期は
かなりの冷え込みとなります。今朝はマイナス20度まで下がったとか。
どうりで、馬の水桶の氷の厚さが、今朝は20センチもあったわけです。



昼間、ヘイゼルグラウス・マナーへ。
友人が、乗馬のレッスンを受けるので、見学のためについていった次第。
当地では、正統イングリッシュ(ブリティッシュ)の馬術を見る機会は、なかなかないので。

友人のSさんが乗ったのは、六歳のアングロアラブの牝馬。
サラブレッドほど大きくはないのですが、プロポーションのきれいな馬でした。



そういえば、『ラスト・サムライ』では、日本の武士たちは、
きちんと和鞍をつけて馬に乗っておりましたね。少なくとも鐙は和鞍のものだった。
ときどき、鞍についてはいい加減な映画を観ますが、この映画はその点もしっかりしていた。

でもトム・クルーズはさすが、和鞍には乗れなかったのでしょう。
パンフレットの写真を見ると、トム・クルーズの足元は革布のようなもので覆われており、
鐙の形状がわからない。たぶん彼だけはヨーロピアン・タイプの鐙を使ったのですね。
だから何だ、という話題ではないのですが。



昨年、東京で話を聞かせていただいたフリー・ジャーナリスト、橋田信介氏が、
今回のイラク戦争取材についてルポを出しました。
『イラクの中心で、バカとさけぶ』アスコム
このタイトルのセンス、いいな。早速注文。

03/1/7





『うたう警官』というタイトル


角川春樹事務所の書き下ろし警察小説、長いこと「仮題」としてご紹介してきましたが、
正式なタイトルが決まりました。
『うたう警官』

マルティン・ベック・シリーズの傑作、『笑う警官』を連想されることは承知。
取り扱う素材とテーマも、このタイトルから想像がつくのではないかと思います。
このタイトルにたどりつくまでの悶々はありましたが、これでこのあとの作業ははかどるでしょう。



風邪はまだ抜けておりません。鼻づまりと咳。鼻づまりのせいで、ちょっと頭痛もする。
風邪薬を飲むと眠たくなって仕事にならないので、なんとか葛根湯だけで対処していますが、
そろそろきっぱりケリをつけたいものです。



昨日紹介した映画評の載っているサイト、きょうはほかの映画についての評もいくつか
読ませてもらいました。

評が気になっていた時代劇映画の一本に『梟の城』があります。
これまで読んだ評の中には、的確、あるいは、同感、と思えるものがなくて、
自分の感じ方はそんなに特殊かと不思議に思っておりました。

このサイトでは『梟の城』も取り上げていたので、
『ラスト・サムライ』をあのように書いたひとならなんと評しているのか、楽しみで読んでみた。
読んで、ようやく納得の一本に出会ったという気分です。

正直に打ち明ければ、わたし、あの映画は途中からストーリーを追うこともできなくなった。
呆然とするぐらいに、わからないのです。

このサイトの評でもそれが指摘されていた。
「(この脚本は)登場人物への感情移入と筋の把握を困難にし、害しか生んでいません」

やはり「筋の把握が困難」な映画だったのですね。ほっ。



年賀状を出さないままでしたが、いくらなんでもそれは下さった方に大変失礼。
寒中見舞いを出すことにしようかと考えたのですが、わたしはカラープリンターを使っていません。
モノクロのローテクなハガキを手作りするしかないな。
年賀状も寄こさないのか、とお怒りの関係各位、もう少しお待ちください。

03/1/6






風邪は抜けていない


風邪は、昨晩以上にひどくもならず、完全回復もせず。
でも、明日になれば、買い物にも行けるでしょう。



『ラスト・サムライ』、先日、ようやく観ました。
日本の中世の合戦(野戦)のありようを、正確に、ていねいに映像化した戦闘部分は素晴らしい。

誤解されないようにあわてて書けば、もちろんこの作品が描いているのは、明治10年という
日本が近代に入ってからの戦闘なのですが、武士団の戦いかたと武器は、
鉄砲伝来以前のものです。

竹束(丸太代用のものでしたが)を最前面に置いての布陣、長弓隊の射撃、
白兵戦、乱戦となった後の側面からの騎馬武者の密集突撃。

こうした戦いの様相は、文献上では知っていても、映像としては、
わたしはまだ観たことがありませんでした。
(注、竹束は鉄砲伝来以降の防具。この考証のずれは、誤りというよりは意識的なものでしょう)

古い日本映画で、こういった合戦のありかたをきちんと(手抜きせずに)映像化した作品って
あったのだろうか。黒沢明でさえ、やっていない。50年代には製作されていたのかな。
この部分を画像資料として使うためにも、DVDが出たら即購入ですね。

ただし、作品全体については、やはりハリウッドが作った時代劇、です。
美しく誠実な異文化誤解の映画、と言うべきでしょうか。

あの武士団のコミュニティが吉野の山中にある、という設定にどんな意味があるのか、
なんてことを考え出しても、たぶん答はないのでしょう。

渡辺謙が戦う理由も、シナリオは、天皇に対してのより厚い忠誠心の証明、としていますが、
それをあれこれ論じても、仕方がないのだろうな。

紹介記事などでは、『ダンス・ウィズ・ウルブス』や『アラビアのロレンス』と較べて語られています。
わたしはリチャード・ハリスが出た『馬と呼ばれた男』とその後日談『サウス・ダコタの戦い』を
連想しました。

つまり基本的にはインディアンもの西部劇であり、白人が「野蛮人」と出会い、
その文化、とくにその深い精神性と見えるもの、に感化されてゆく、というジャンルの一本。
いま作るなら、素材としては日本の武士が「クール」ということなのでしょう。

渡辺謙の存在感が評判ですが、わたしは真田広之の所作の美しさに見とれておりました。
『たそがれ清兵衛』の感想でも書きましたが、彼にはたぶん武道だけではなく、
日本舞踊やお茶の素養があるのでしょうね。実際、舞も見せる。

原田真人演じるオオムラ(たぶん大久保利通がモデル)の、徹底して軽薄な男としての
描き方は、山田風太郎の明治ものに通じるものを感じます。

ともあれ、ひさしぶりに映画館で見た映画です。総合的には堪能しました。
日本にも 『クレヨンしんちゃん、あっぱれ戦国大合戦』を作る才能があるのだから、
彼らにこの作品の制作費の半分でも預けて、時代劇大作を作ってもらいたいものです。


追加、『ラスト・サムライ』については、この評が読みごたえがありました。
http://plaza28.mbn.or.jp/~projectitoh/cinematrix/roadshow_65.html



昨日の近況で、今年は鬼畜とみなされてもよい、という意味の決意を書きましたが、
考えてみると、わたしはきちんと社会人をやろうと意識しているときでさえ、
かなり問題の多い人間です。けっして「愛される隣人」や「好ましい友人」ではありません。

問題は、それを引き受けられるだけの精神の強靱さかもしれない。それが身につけば、
よき社会人になろうなどと背伸びすることもなくなるのだろうな。

新しい年が動きだして、ちょっと現実のことなどをいろいろ考え…。



鼻水をすすりながら、小説新潮、警察小説中編、書き出し。

03/1/5





さあ、新年だ

年末年始は、インターネットから身を離しておりました。近況更新の休止、申し訳ありません。

新年早々、風邪です。身体が冷えているな、と思っているうちに、鼻水がぐすぐす。くしゃみと咳。
雑踏の中で、風邪を移されましたか。なんとか今晩中に治さなければ。



今年の仕事の予定。
発表、刊行は、

小説新潮2月発売号に、警察小説の中編。

3月末、『天下城』大幅加筆のうえで、新潮社から上下2巻で刊行。

7月、『zero over berlin』(『ベルリン飛行指令』の英語版)刊行

夏ごろ、角川春樹事務所書き下ろし警察小説、、『警官仕立て』(仮題)

秋、毎日新聞社、エイジャン・ノワール・シリーズの書き下ろし。

時期未定、日経BP社から、江川太郎左衛門英龍の生涯を描いた『英龍伝』

「隠し玉」になりっぱなしの集英社新書も、目処をつけます。

今年前半は、とにかく角川春樹事務所と毎日新聞社の書き下ろしに集中ですね。



プライベートなことでは、健康のための体質改善、を目標にしようと思っています。
「筋収縮性の血行障害」による頭痛やら冷え性とは縁を切りたい。
職業病とはいえ、腰痛もなんとか症状を緩和させる。

要するに、スポーツを継続し、ストレッチその他も完全に習慣化するということですが。
(毎日の馬の世話程度では、まったく運動にはなっていないようです)。

また、バランスの取れた社会人をやろう、という大それた望みは捨てます。
再び以前のように、偏屈な(ときに鬼畜の)物書きとなります。関係各位、ご理解ください。

04/1/4





賀正

2004年元旦

04/1/1


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