journal
2003年12月分
みなさま、よいお年を
03/12/29
近所の酪農家さん宅で、恒例行事の餅つき。
わたしもこのところ、このときに自家消費分は自分でつくようになっています。
と書くのは、誇張ありかな。お手伝いにいって、腰をかばいながら、少しつく。
トータルすれば、自家消費分ぐらいはついたことになるだろう、ということです。
このとき汗をかいたので、缶ビールを飲んだのがまずかった。昼日中なのに緊張がゆるんで、
もう回復不能。しかたなく、そのあとはダラダラと仕事場の清掃など。
『天下城』初校ゲラが届く。
わたしが作業にかかれるのは、来月なかばすぎから。
その時期、外洋船クルーズに参加するのは不可能だけど、3泊4日ぐらい近所の
ペンションに泊まる、ということは、真剣に考えてみるべきかもしれません。
料理も雑用も一切せずにすむし、おそらくすいている時期だと思うので、
他人に煩わされるということもないはず。集中できると期待するのですが。
『エコノミストは信用できるか』(東谷暁、文春新書)を読む。
マスメディア上で活躍するエコノミストたちの、いわば勤務評定表。
この10年の日本経済に関するエコノミストたちの分析や予測を整理し、
一貫性、整合性、説得力、市場供給力、市場需要力の視点から、
エコノミストたちを「格付け」した本。
誰の主張に理があるのか、読めば読むほどわからなくなる、わたしのような経済音痴には、
たいへん有益な新書です。わたしの場合、ついついレトリックの巧みさや、
テレビに登場するときの語り口の好みで判断してしまいますから。
恥ずかしながら、Aaaと格付けされた6人は、わたしの知らないエコノミストばかりでした。
昨夜、BS2では『夜霧よ今夜もありがとう』を放映しておりましたね。
『カサブランカ』の翻案、ハンフリー・ボガートの役を裕次郎。横浜のナイトクラブのオーナーで
密航の手引きを裏のビジネスにしている男、という設定。昨夜は観ませんでしたが。
『カサブランカ』は、日本ではもう一本翻案されているとか。
国定忠治が主人公の、関所抜けのサスペンスらしい。
わたしも、『カサブランカ』をベースに、『夜を急ぐ者よ』という作品を書いています。
書いていた当時、担当編集さんとのあいだでは、その作品のことを『那覇ブランカ』と呼んでいた。
でも、刊行後、誰もその関連に気づいてくれなかったので、けっこう落胆したものです。
ちなみに、わたしの想像では『カサブランカ』のそもそもの原典は、オペラの『トスカ』です。
03/12/28
『zero over berlin』のカバー・デザインが上がりました。
出版社のホームページのほうに、coming soonと案内されましたので、こちらでも紹介します。
当時の時代性と「大日本帝国」イメージを強調したデザインですね。
もとになっているのは、戦前の煙草のポスターであるとか。
ちょっと見にくいかもしれませんが、地球の上に、タイトルがかかっています。

刊行は2004年7月、ということになりました。
ハードカバーで、価格は$22.95
27日付け北海道新聞朝刊に「決め手は街の美しさ」という記事が載っています。
「カフェ&バー」のほうにも書きましたが、日生バイオという企業が恵庭市恵み野に進出を
決めた理由は、街の美しさだったというもの。
「まるで米国のサイエンス・パークのようだ」という、同社社長の言葉が紹介されています。
身内が恵庭の病院に入院していたことがあるので、恵み野の住宅街の様子は、
わたしも多少知っています。ガーデニングの盛んな街として、全国的にも知られてきましたね。
できたばかりころの札幌・真駒内の住宅団地の雰囲気もあります。
北海道でも(というか、日本でも)例外的に、街並みの美しさが意識的に追求されている
街だと思います。
わたしはこれまでも方々で、よい産業や先端企業を誘致したいのなら、
厳しい景観条例を作り、美しい街を作るべきだ、と提言してきました。
ハイテク関連産業や先端企業には欧米体験を持ったひとたちが多く、このひとたちの帰国後の
切実な願いは、美しい環境の中で仕事をしたい、美しい環境に住みたい、ということだからです。
自分の提言に、ひとつ例証ができて、ちょっといい気分。
街に馬券売り場を持ってきて、いかにも疲弊した地方都市という印象を強めるべきか、
それとも「アメリカのサイエンス・パークのようだ」という印象を追求したほうがよいのか、
その土地を豊かにしたいのなら、答ははっきりしています。
今朝がたの気温は、マイナス14度。ところが日中はかなり上がりました。たぶんプラス。
03/12/27
昨夜の吹雪、当地では結局、ほとんど積雪とはなりませんでした。
やはり雪は、北海道の日本海側でどっと降ったようです。交通も大混乱とのこと。
去年のこの時期、やはり悪天候のため、札幌から帰ることができなくなったことを思い出しました。
札幌で一泊と決め、あらためてホテルを探しても、シティ・ホテルがどこも満室。
なんとか見つかった札幌駅北側のビジネス・ホテルに荷物を置いたはいいけど、
突然の沈没ですから、とくに予定もない。
友人の事務所に電話したところ、忘年会の最中だと言うので、そっちに参加してきたのでした。
今夜は、雪はさほどでもないけれど、気温がかなり下がっています。
久しぶりに薪ストーブに火を入れました。
北海道野生動物基金の機関誌『モーリー』1月号が届く。
当地の格子状防風林について書いています。例の、校正をさせてもらえなかった原稿。
写真も、「紛失してはいけないのでポジではなくプリントで」と指定されたので、
あらためてネガで撮りに行って編集部に送ったものでした。
角川春樹事務所書き下ろし継続。降り込められた、という日は、まちがいなく仕事ははかどります。
もうこんな時期ですが、例年のごとく、まだ年賀状も用意していない。
関係各位、佐々木は忙中につき年賀欠礼致します。
03/12/26
夕方から軽い吹雪。予報では、今夜は大荒れとなって、積雪も地方によっては
40センチぐらいになるらしい。
でも停電さえしなければ、一日閉じ込められるぐらいは大丈夫。仕事もはかどります。
吹雪になると、なぜか、さあシベリウスだ、という気分になるな。
午前中、仲間と乗馬。たぶんこれが、わたしの今年の乗馬納め。
昼から、部落の常会。ついで「名目上の」忘年会。
わたしの部落は、酪農家さん7戸とわたし、という小規模な集落なので、
集まったのは、年長組と若手組、合わせて20人弱。
忘年会に移っても、お酒を飲むひとはごく少数です。みなさん搾乳の仕事が
待っているからですが、それでも以前は、みなよく飲んだらしい。
飲酒の習慣が、やはり日本全体、少なくなってきているのでしょうね。
最近の何かの雑誌でも、この傾向について特集していたような気がしますが。
角川春樹事務所書き下ろし、アバン・タイトル部分を書き上げる。
ようやくこれで、本編ストーリーを動かすためのイナーシャが回りました。
03/12/25
ここで何度も書いたスティーブン・キングの言葉。
「わたしは毎日書く。自分の誕生日とクリスマス以外は毎日」
後にキングは、これは誇張であったと認めましたが。
日本の物書きは、クリスマス・イブもクリスマスも書く。自分の誕生日にも書く。
書かないのは、二日酔いの日だけ。
いや、これは、日本の物書き一般のことではなく、わたしの場合、ですね。
北海道新聞コラム『干し草通信』、2本書いたうちの1本は、道営競馬と街の荒廃の問題
がテーマ。こちらを来春早々の原稿とすることになったのですが、
表現がやや断定的すぎるということで、若干トーンを落としました。
角川春樹事務所書き下ろし、冒頭部分、引き続き行ったり来たり。
昼間、当地の馬事業関連の連合団体のメンバーのひとりとして、町議員さんとの懇談会に参加。
日頃ホース・トレッキングに使っている町有牧場の施設整備について、要望を陳述。
WOWOWで放映していた『最高の贈り物』というクリスマス・ムービーを観てしまう。
最初の5分ほどを見逃したのだけど、ワシントン州の衰退した山村が舞台で、
その寒々とした雰囲気が気になって、ついつい最後まで。
クリスマス・ムービーですが、キリスト教色はさほど強くない映画でした。
ピーター・フォークが、天使(神、ではないと思う。善意の象徴)を演じる。
彼の顔が出てくるだけで、奇跡を信じたくなります。
もう彼は、天使役者、と呼んでもいいだけの存在ですね。
主人公は、作家志願で本業がカード・ライターという青年。彼が女主人公に向かって、
「未発表原稿を読んだ!」と本気で怒る。思い当たることがあって微苦笑。
03/12/24
知人宅で、チーズ・フォンデュの会。
わたしにとっては、たぶんこれが今年最後の忘年会。
また胃と肝臓が弱っているので、ノンアルコール・ビールを6缶持って参加しました。
素面で周囲の会話に合わせていると、自分の冗談がなんとなくきつく感じられるのは不思議です。
ただし、自分だけアルコール抜きでも、さほど苦しいという想いはなかったので、
自分の人生からアルコールを抜く、という選択は可能とも感じたな。
このところ、アルコールが人生に与えてくれる楽しみよりも、アルコールのために抱える
問題のほうが多くなってきています。ブラックアウトして仕事の用件を忘れることが増えたのは、
いちばんの問題。来年は試験的にアルコール断ちしてみるか。
いや、某氏から、麻布のエノテカ発送のボルドーをいただいていた。断つのは、あれを
飲んでからですね。
ひとつ設問を思いつきました。
「あなたは明日からお酒を飲めない身体になります。
今夜、人生最後のお酒を飲むとして、そのお酒は何ですか。
そのお酒を、どんなシチュエーションで飲みたいと希望しますか」
シャトー・マルゴー(青酸カリ入り)を不倫相手と、という回答は、
先例ありということで失格。
昼、引退馬を引き取ってくれた酪農家さんのところに、大阪の学生さんふたりを迎えに行く。
空港へ送る前にヘイゼルグラウス・マナーに寄ったところ、乗馬担当のOさんは、
関西R大学の馬術部監督だったひとだとわかりました。学生さんたちの大学の
前の馬術部監督とは親しい仲だとか。三人、いきなり盛り上がる。
Oさんはふたりに、馬を飼うならここはいいところですよ、農協に話して上げますよ、と
しきりに勧めておりました。学生さんたちも、いくらか興味を持ったようです。
面白い展開になるだろうか。
きょうも日中は気温が上がりました。三月のような陽気が続いています。
03/12/23
朝5時半に起きて、引退馬到着の報を待つ。6時に電話。もうごく近所まできているとのこと。
車を走らせてその馬運車に合流、先導して、馬を引き取ってくれる酪農家さんの牧場へ。
学生さんと馬とは、大阪を20日の朝に出発したのですから、ほぼ44時間のきつい旅。
若いひとたちは、つくづくタフです。
久しぶりに見る朝焼けはきれいでした。
『ユニット』担当さんから、法学セミナー12月号が届く。
この雑誌に『ユニット』の紹介記事が載っていることを聞いて、入手してもらったもの。
法学の専門誌ですから、法律上のミスを指摘されているのではないかと
ハラハラしておりました。読んだら、そうではなくてほっと安心。
書いてくださったのは、庄村敦子さんという方。
わたしは『ユニット』の中では、母子殺害犯を、必ずしも「鬼畜」としては描かなかった。
彼の生命感覚の貧しさや社会性の欠如を描きつつ、一方で彼なりの更生への努力がつぎつぎと
つぶされて、失意が増幅されてゆく過程についても書いたつもりでした。
庄村さんの記事はその点にもきちんと触れてくれています。力づけられる記事。
『天下城』担当さんから連絡。初校上がりが遅れています、とのこと。
戦国史と密接に絡み合う物語ですから、連載のとき同様、校正者さんも苦労しているようです。
ただ、こうなると、わたしは来年1月が無茶苦茶に苦しい状況になる。
熱ダレの頭のクールダウンはきちんと終えましたので、物理的な条件さえ整備すれば、
かなりの勢いで原稿は書ける、という気はしているのですが。
その物理的条件が問題です。来訪者拒絶、不義理御免、市民の義務放棄、でゆくしかないか。
冗談ではなく、わたしはできることならば、ひと月、北太平洋クルーズの船にでも乗りたい。
関係者各位、佐々木は来年1月、鬼畜になります。不用意に近寄らないでください。
と書いたところで、とある団体から電話で新年会出欠の確認。きっぱりと、欠席を通知。
03/12/22
二日続いた吹雪のあとは、まるで三月を思わせるような好天。
気温もけっこう上がりました。雪原が陽光を照り返して、まぶしい。
冬が連日こういう天気だったら、この地の暮らしも楽なのですが。
引き続き角川春樹事務所書き下ろし、アバン・タイトル部分。
キーワードと伏線とを配置し、物語のトーンを決めてゆく作業。
大阪の某大学馬術部の引退馬を引き取る件で、昨日大坂を出発した獣医さんの卵から
何度もメールが入る。
馬は、近所の酪農家さんが引き取ってくれることになり、
飼い主(主人?になるのだろうか)にあたるその学生さんが、馬運車に同乗して
当地にやってくることになったのです。
朝8時に八戸着、フェリーに乗って、夜8時には浦河着。当地到着は明日の朝5時。
若いひとはタフだ。
北国tvのWeblogで、こんな書き込みを読みました。
知的障害のある子供たちを守るための性教育を、東京都、都議らが介入、妨害した事件。
この件、テレビの報道で一回だけ途中から観ています。
そのときは、どういうニュースなのかよくわからなかった。
キャスターたちが、都が没収したという教材を前に、
学校側の取り組みを嘲笑ぎみにコメントしていたのが記憶にあります。
このサイトを読んで、やっと「事件」の全体がわかりました。
かなり以前、国会で性教育の是非を論じる論戦があったとき、某宗教系政党の
議員が公立校での性教育に反対して言った言葉を思い出します。
「わたしは性教育など受けなかったが、家内とはうまくやっている」
こんどの事件の都議や、都の関係者たちも、性教育とは性交渉実技教育、と
誤解しているのだろうな。それしか想像できないから、これは赤面ものだと、
介入、妨害に出ることになるのでしょう。
03/12/21
吹雪が止んだり、また吹いたりを繰り返しています。明日は気温も相当に下がるらしい。
本格的な冬です。今年は暖冬という予測らしいけれど、じっさいはどうなるかな。
角川春樹事務所書き下ろし。プロットが動き出すまでの、映画で言うなら
アバン・タイトル部分で試行錯誤。あと少し。
ところで、プロットを整理するのに、わたしはノートのほかに、ホワイトボードも使っています。
美術用のイーゼルに小型のホワイトボードを架けて、これにアイデアを書き込む。
最初の構想段階では、書いたり消したりが容易なのでけっこう有効なのですが、
書ける量に限界があるし、以前に書いた部分の保存ができないので、
作業が進むに連れて使えなくなってくる。何かうまい方法はないものだろうか。
ニューヨークの出版社か新聞社を舞台にした映画で、壁一面のコルクボードにポストイットを
貼る、という仕事の仕方を観た記憶がありますが、あれができるだけの壁がないしな。
『ボーン・コレクター』フィリップ・ノイス監督、を観る。
デンゼル・ワシントンが、犯罪捜査学の本も出版するような学究肌の警察官。
先日観た『スパイダー』のフリーマンと似た役どころです。
アンジェリーナ・ジョリーが婦人警察官の役。アクションはなし。
連続殺人犯が自己顕示で証拠を残してゆく、という作品ですので、観終わって考えると、
謎の解明については、さしてサスペンスはないのですね。
デンゼル・ワシントンは、『鬼警部アイアンサイド』のように半身不随の警察官で、
療養する自宅(フラットの一室)が同時にオフィスという設定です。
このような警察官が、アメリカにはじっさいにいるのでしょうね。
そういう制度も整備されているのでしょう。
どんな映画を観ても、どうしても主人公の仕事場のセットが気になります。
でもこの作品では、主人公がベッドから起き上がれない男という設定なので、
什器にせよ、インテリア全体にせよ、あまり参考にはならなかったな。
03/12/20
外は吹雪。でも気温はそこそこ高く、せいぜいマイナス1度くらいでしょう。
雪は重い湿雪。明日、気温が下がると、コチンコチンの路面が出来上がります。
この週末は、あまり運転はしたくない。
『裏ドラマ』(君塚良一、ダイヤモンド社)を読む。
『踊る大捜査線』の脚本家の書いた仕事にまつわるエッセイ、というか、回想というか、
私小説ふうのストーリーというか。帯には「半小説」とあります。
あの情報量の多いドラマ『踊る大捜査線』の取材の裏話などを期待したのですが、
ちょっとはぐらかされました。発想のヒントについても、「コダマさん」という架空の人物に
インスパイアされてきたのだと、韜晦している。
もちろん作家は、創作の秘密を正直に語る義務はないので、
ま、ちがうテーマの本だということなのでしょう。
それにしても「幻の『踊る2』未発表シナリオ収録!」は、ちょっと大げさすぎる惹句。
日経ビジネス最新号に『観光立国の提案、なぜ美しい? 欧州の街』という記事が載っています。
記事の基本的な認識は、日本は醜くて、とても観光立国を言えるような国ではない、
ということ。ようやく「日本は醜い」と、誰もが気づき、それを口にできるようになったのだな
という気がします。
田村明・法政大学教授は、かつて横浜市の企画調整局長だったころ、
横浜みなとみらい計画」の相談に旧建設省を訪れたそうです。
田村氏が、「美しい街を造りたい」と説明し始めたとたん、課長補佐から罵声が飛んだとか。
「美しい街なんて下らないことを言う奴は部屋から出ていけ」
このエピソードを紹介したあと、記事は続けます。
「その後30年余。日本は見事に「醜い国」を造り上げた」
美しい景観は資産であり、この資産の集積は大きな「産業」を生むのだ、ということが、
この国の行政の担当者には、まるで理解されていないように思えます。
わたしの個人的な体験から言っても、景観を語ることは、たわごと扱いされるか、あるいは、
破壊的言説、と見なされます。美しい景観を作るために私権を制限せよ、なんて
発言しようものなら、確実にテロリストだと決めつけられる。
けっして「なにごとも金に換算しようとする強欲な資本主義者」とは思われない。不思議。
03/12/19
北海道新聞コラム『干し草通信』。
編集作業が年末進行なので、締め切りはいつもよりずっと早い。しかも新年早々の紙面。
というわけで、1本書いてみたのだけれど、新年の話題にふさわしいかどうか、
確信が持てず、もう1本、別の話題でも書いてみる。
明日2本とも送って、編集部に選んでもらうことにします。
こういう配慮ができるのって、きっとコピーライター時代に培われた資質なのだろうな。
夜は、当地のイタリア・レストランで、当地在住の声楽家、飯田由美子さんの歌を聴く集い。
ちょうどクリスマス・パーティ・シーズンということで、聴衆もみなちょっとお洒落しておりました。
わたしも、久しぶりにタイを締めましたが、何カ月ぶりだろう。
この集まり、パッケージされた大規模イベントではないので、そのぶんだけ「ぜいたくな気分」も
濃密であったように感じます。ほかの聴衆のみなさんはどうだったのかな。
03/12/18
角川春樹事務所の書き下ろし、けっきょくプロローグから書き直しということに。
基本的なプロットは微調整で済むのですが、テーマの深化がありました。
ということは、これまでずっと仮題としてきたタイトルも変更しなければなりません。
これについては、担当さんと相談。仮題としておいてよかった、という想いです。
ホンダが、小型ジェット機の試験飛行に成功しましたね。
しかも、エンジンも機体も独自開発という、航空機産業にしては珍しい形態での開発。
最初のF1参戦のとき、たしか土壇場になってロータスがチームを組むことを降りてしまい、
ホンダは車体まで自社開発で参戦しなければならなかった。あのエピソードを思い出します。
写真を見ると、低翼の上にジェットエンジンを載せるという、斬新なプロポーションです。
もちろん航空力学的にも理にかなった積み方なのでしょうが。
本田宗一郎は、早くから飛行機の開発に乗り出すことを夢見ていたそうです。
60年代、ホンダ社有のセスナが埼玉県桶川のホンダの飛行場近くで不時着し、
同乗していた本田宗一郎も怪我をするという事故がありました。
そのときホンダの内部では、本田宗一郎は「同乗」していたのではなく、
無免許で操縦していたのだ、とささやかれたそうです。
本田宗一郎ならば、ありうる話と思います。
そのDNAが、ホンダの社内には残っていたのですね。
ホンダも、このジェット機をすぐにビジネスとして成功させようとはたぶん思っていないでしょう。
中国の有人宇宙飛行と同じで、技術力の向上と、その技術力そのもののアピールのために、
F1参戦やアシモと同じ意義づけで、開発を続けていたのだと思います。
でも、先日も『日本はなぜ旅客機をつくれないのか』というルポを読んだばかりなので、
このニュースはうれしい。日本のプロパーの航空機メーカーが、防衛需要に頼りきって、
完全に「保護産業」化しているとき、やはり風穴を開けたのは、独立系メーカーでした。
短期的にはホンダが旅客機まで作るようになるとは思いませんが、
機体メーカーの富士重工あたりを吸収して、いずれは中型機の生産に乗り出す、
という可能性は見えてきたのかな。
今夜、雪が降り出しました。
03/12/17
と言い切ってもたぶん大丈夫でしょう。降りました。これだ、という確信。
角川春樹事務所書き下ろし、明日から執筆再開。
この「降りた」という感覚、締め切り間際まで粘って、無理やりにつかみ取る場合も
多いのですが、もし時間に余裕があるなら、じたばたしないほうがいい、というのも
経験的にわかっていることでした。どっちみち、それはいつか確実に降りてくる。
その「降ろしかた」も、少し上手になったような気がします。以前は、確実に「降りてくる」と
信じることもできず、不安と焦りで、かえって袋小路に入り込んだことが何度もある。
いまは、むしろ焦りのほうを排除します。あれがあると、ろくなことにならない。
先日の、農家後継者の結婚問題、地元のひとから、厳しい反論あり。
この土地で農家後継者の結婚が続いたのも、必ずしもこの地方の住みやすさや
農家の豊かさのせいではないと。
要するに不況だからではないのか、というものですが、なるほどわたしの見方は
甘すぎましたか。
いつものガス・ステーションで車に軽油を入れようとしたら、タンクのキャップがないという。
よそでは給油してはいませんので、前回入れたときに係のひとが閉め忘れたのでしょう。
でも、そのステーションにもキャップは保管されていなかったそうです。
いったい何があったのだろう?
03/12/16
降りてきた、という感覚はあるものの、きょうも原稿は書けず。
ダラダラと雑誌を読んだり、DVDを観たり。「ため」の時期です。あと少し。
新潮45『千葉16歳少女殺し全真相』佐久間慎。
わたしの関心は、あの被害者少女が、いつどんなきっかけで、ぼったくりバーのホステスを
やるようになり、無軌道を通りこして、あのはちゃめちゃの人生にはまっていったのか、
ということなのだけれど、このジャーナリストの関心は、加害少年のほうにあったようです。
残念ながら、少女についての記述はごくわずか。
同じ新潮45に、佐野真一氏が『「東電OL殺人事件」最高裁決定に物申す』という
エッセイを書いています。佐野氏は早くからゴビンダさんを被告とするこの事件を
冤罪事件だと主張していた。
一審で無罪となった被告人を勾留したまま二審に持ち込んだという、とんでもない
裁判が行われた事件だけれど、佐野氏はじつに噴飯ものの事実をここで明らかにしています。
再勾留処分命令を出した6人の判事のうちひとりは、後に14歳の少女を買ったという
児童買春、児童ポルノ禁止法違反で懲役2年(執行猶予つき)の刑を受け、
判事を罷免された男だというのです。
おいおい。そんな人間が、有罪を前提にゴビンダさんの再勾留を決めたのか。
DVD『スパイダー』モーガン・フリーマン主演の警察映画。
前作『コレクター』はつまらない映画だったけれども、フリーマンが出る警察映画となると、
やはり観ておきたい。このシリーズでは、フリーマンの役はワシントンDC警察のプロファイラー。
関わる事件は、少女誘拐・監禁。前作は、連続女子大生誘拐・監禁事件でしたが。
前作同様、シナリオにちょっと首を傾げたくなる部分があるな。
映画中に、リンドバーグの息子「誘拐事件」への言及があります。
「あれは事故死だったが」とフリーマンが解説する。あれが誘拐・殺人事件ではなく
事故死(リンドバーグの過失)だという説は、すでにアメリカでは常識なのですね。
03/12/15
地元の酪農家後継者さんの結婚披露宴に出席。
新郎21歳、新婦20歳。
今年は当地ではけっこう農家後継者さんの結婚が続いたそうで、ここでは
いわゆる社会問題としての「農家後継者の結婚難」は、ないようです。
当地、若いひとが住み続けたいと思うだけの魅力があり、
経済的にも豊かな農村である、ということなのでしょう。
『このミステリーがすごい!』の2004年版が届きました。
わたしも、恒例企画の「私の隠し玉」に、来年の刊行予定について書いています。
西上心太氏が、全体の講評で書いていますが、今年は、常連だった大沢在昌、宮部みゆき、
逢坂剛、恩田陸氏らがランクインしていないのですね。またひとつ、「読者の注目する作家」の
世代交代が起こったのでしょうか。
前にも書きましたが、ある時期からわたしは、「今年のベストテン」といったアンケートには、
参加しなくなりました。この手の企画は、本の賞味期限をどんどん短いものにしていって
いないか、という想いがあるからです。
ただし、読者としての立場で言うと、新しいものに敏感なこの種の企画の結果は、
けっこう自分が本を選ぶときの参考になっているのも確かです。
『ボストン、沈黙の街』ウィリアム・ランディ、『リガの犬たち』ヘニング・マンケル、
『反米同盟』B・ヘイグなんていう作品については、これまで情報を見落としておりましたが、
読んでみたくなります。
03/12/14
二日酔いで目覚める。講演のあと、つい酒が過ぎてしまったのは、講演中はいかに
緊張していたかの証ですね。ソルマックを飲むような症状でもないので、
つまりはアルコールの分解不十分。前夜も2錠飲んだヘパリーゼ・プラスを追加で2錠。
北海道新聞は、このところ連日、北海道警察本部の報奨費問題を取り上げています。
道警OBの証言をつぎつぎと繰り出している。
稲葉警部事件のときは、最初からずいぶん腰が引けた取材のように感じたのですが
(あのときは、他のメディアも、奇妙なまでに遠慮がちと思えた)
こんどはかなりやる気と見えます。
おかげで、『警官仕立て』(仮題)のほう、ちょっと様子見ということになっています。
という(仕事がはかどっていないことの)言い訳。
ところで。
発想のための好環境というのは、ひとによってさまざまでしょう。中国の故事では、
馬上、厠上、枕上が、三大発想環境ということになっていますし、散歩がよい、と
言うひともいる。
わたしの場合、飛行機の中、というのが、経験的にかなりよい環境のひとつです。
旅行をする、ということで脳細胞がかなり活性化しており、しかも、考える以外には
することもないわけですから。
もうひとつ、お芝居を観ているあいだ、というのが、意外にもよいのです。
舞台の上のエネルギーが、こちらの想像力をビシリビシリと刺激してくれる。
お芝居を楽しみつつ、頭のべつの部分では、自分の作品について、発想がどんどん飛躍する
ということがよくあります。
きょう、街で、知り合いの地元の声楽家さんが出演するコンサートがあって、
このコンサートを聴きながらも、自分の想像力が活発に働きだしたのを感じておりました。
そういえば、器楽曲のコンサートはともかく、オペラを観ているときも似た状態になる。
(もう何年もオペラを観ていませんが)。ひとの生の感情を受け取るライブというのがよいのかも。
ここまで書いて思いますが、これは単にわたしのいまの生活が、単調で刺激の少ないものに
なりすぎている、ということなのだろうか。
03/12/13
早朝、寒さで目覚める。下半身が冷えきっているので、例の血行障害でしょう。
しばらくベッドの中でじっとしていましたが、身体は冷えてゆくばかり。
へたをすると、本格的に風邪をひくことになる。
夜には講演があります。思い切って朝風呂に入り、身体を温めました。
朝風呂のせいか、逆に軽い鼻風邪の症状は出ましたが、なんとか体調は維持しています。
また鍼灸師さんにかかるべきかな。
夜は、当地の文化ホールで講演。
まあまあの出来でしょう(と自己採点)。Thinkpadは、確実にわたしを変えてくれましたね。
後援会のあとは、主催者さんたちと打ち上げ。
解放感から、ずいぶんお酒が入りました。
03/12/12
午後3時には執筆再開、という見通しは甘すぎました。
きょうが終わったところで、ようやく段ボール箱をすっかり開けて、室内を清掃した段階。
1階の段ボール箱は手つかず。
態勢を整えるまで、もう一日かかりそうです。
03/12/11
本日夕刻、書棚の造り付け工事と、地下収納庫の改装工事がほぼ終わりました。
あとは建具工事と、電気の配線工事が少々。
いったん段ボール箱に詰めた本を書棚に並べるという作業は残っていますが、
おおまかに書棚に収めてしまって、微調整はあとからでもいい。
明日の午後3時ごろには、執筆仕事に復帰できるでしょう。
関係各位、やきもきさせてしまって、申し訳ありません。
『地形で読みとく合戦史』(谷口研語、PHP新書)を読む。
日本史上の合戦を、その舞台となった土地の地形を解説しつつ紹介するという概説書。
古代から西南戦争まで、あまりなじみのない合戦まで含めて、多数取り上げています。
地形は地名に反映されていますから、この新書のタイトルは『地名で読みとく合戦史』
であっても悪くありません。カバーする範囲の広い、入門篇的合戦ガイドです。
一点だけ問題点を書くと、設楽原の戦いについて、著者は例の「信長の三段撃ち」説を無条件に
受け入れています。あの地形では、三段撃ちという作戦そのものが不可能、とわたしは
判断するのですが、この新書、そのへんの検証はあまり厳密ではありません。
牧草地は一面雪で真っ白。空には満月(?)。
外はさえざえと明るい。
03/12/10
昨日の日記に書いたトラブルのせいでしょう。お昼まで胃痛と下痢。
わたしは、ストレスがてきめんに胃にくるほうで、今回も因果関係がじつに明快です。
トラブル自体は、午後になって解決。ふっ。
レンタルDVDで『リターナー』を観る。
楽しみました。鈴木杏もよかったな。こういうタイプの戦闘美少女もいいか。
この映画の中で、彼女にスカートとジャケットを着せた部分は、制作者の美意識の破綻だと
思うのですが。少女を中性的戦士に設定したのならそれで押し切らなければ。
牧瀬里穂の出た『幕末純情伝』でも、歯がゆくなったのは、
牧瀬里穂がせっかくの新撰組の制服から、
女装の着物姿(という書き方も奇妙ですが)になったときでした。
プロデューサーは牧瀬里穂の見せ方ががわかっていない、というか、
この映画の核心がわかっていない、と感じましたが。
小説現代コラム、ゲラ戻し。
金曜日、12日、中標津の文化ホール「しるべっと」で、夜7時から、少し話します。
テーマは「本好きになろう」。このための画像資料作り。
改装工事継続。
03/12/9
トム・クルーズ主演の映画『ラスト・サムライ』が、ずいぶん話題になっています。
先日札幌に行ったときも、ちょうど先行ロードショーがあったばかりとかで、
何人ものひとから、この映画のことを聞かされました(もしかして、広告業協会の
講演テーマが急にそちら寄りになったのは、この映画のせいか)。
釧路の映画館でも公開中。2時間走れば観に行けるのですが、道路はきょうはもう完全に
凍結していて、この道を走るのは怖い。釧路に近くなるほど、道の状態はよくなると
思うのですが。ううむ。でも、この映画については、ビデオが出るまで、待てそうもないな。
それにしても、この設定の小説を日本の小説家が書いたら、ということを考えます。
そうなると、これは歴史小説でも時代小説でもなく、SFのパラレル・ワールドものか
歴史改変もの、架空戦記もの、というジャンルに分類されてしまうのではないだろうか。
もちろん、そちらのジャンルにも固定の読者層はありますが、
一方に「まったくデタラメを」と怒り出す読者もいるような気がします。
ジェームズ・クラベル『将軍』も、三浦安針という実在のイギリス人をモデルにしていながら、
日本では完全にノンセンス小説の扱いだった。
虎長、という架空の将軍を設定していた、というだけで、
拒絶反応を起こした日本人読者は少なくなかったことでしょう。
ひとだけではなく、西南の役、クラスの歴史的大事件を創造してしまうことも、
日本の近代史をなまじっか知っている者にはできません。
いや、わたしも、「歴史のイフ」を使って、榎本軍が最後には勝利を収める小説を
書いてみたい、と思わないでもないけれど。
午後、ちょっと胃が痛くなるような問題で電話あり。
トラブルを避けて関与しなかったために、逆にトラブルになってしまったような。
大きくこじれなければよいのですが。
きょうも地下の改装工事。
かすかに、「降りてきた」という感覚があります。
03/12/8
日中は好天でけっこう気温も上がったのだけれど、午後から軽い吹雪。やがてかなりの
勢いの吹雪となって、いまはまた風も収まりました。
冬に荒れると、生命に関わる、というレベルの話になるので、冬はどうしても
天候に敏感になります。そろそろ風邪薬と非常食の買いだめが必要だな。
友人ふたりに手伝ってもらって、改装途中の地下の整頓。
また少し、工務店との打ち合わせとは違うことを思いついてしまう。これは、わたしが、
計画の段階では自分の望むことを具体的にイメージできない、
ということなのかもしれない。自分ではこちら方面の想像力については、
かなり鍛えてきたつもりもあるのですが。
この地下、仕事場にはせずに、いっそ「ふだんは使わない隠れスペース」の
ままにしておくべきかもしれません。本はともかくとして、これ以上の紙の侵入を防げば、
『疾駆する夢』の古田の仕事場、のような雰囲気を作れるかも。
渡辺武信が、映画『マイ・フェア・レディ』のヒギンズ教授の部屋について書いています。
「映画の中のさまざまな虚構の空間の中で最も羨ましいものの一つ」
壁全部が書棚で、二階部分は回廊になっている部屋のことです。
わたしにとって、同じような羨望の「映画の中の空間」はなんだろうかと考えると。
『チャイナ・シンドローム』のビデオ・カメラマン、マイケル・ダグラスの住居。
生コンクリートのタワー(?)のような構造物の最上階にある。
『コレクター』の中でテレンス・スタンプが買うイギリスの田舎家。
ライムストーン造りで、できたのは17世紀という古い家。
『欲望』のカメラマン、デビッド・ヘミングスの、スタジオと渡り廊下つきのロンドンの住居。
街なかの古い小工場のような建物をふた棟つなげて使っているような、ロフト風の空間。
なんてあたりが、すぐに思いつきますが。
資料のひとつとして『踊る大捜査線、歳末特別警戒スペシャル』(97年)を観る。
稲垣吾郎、広末涼子、仲間由紀恵が出ていますが、豪華版なのですね。
この三人、この当時から較べるといまはずいぶん変った(大人になった)という印象なのですが、
深津絵里はいまもこの当時も、さほど変っていませんね。
03/12/7
やっと初雪です。積もるかなと思っていたら、夜半からむしろ気温は上がって、
零時前にはみぞれ状態。根雪になるのは、今月末ぐらいなのだろうか。
本日も、地下収納庫の改装工事。進み具合が早く、大工さんたちが仕事を
切り上げるときには、わたしが予測していなかった部分まで終わっていた。
書棚の並べかたと位置について、現状とはべつのことを考えていたので、
申し訳ないけれど、週明けにはそこのところ、やり直してもらうことになるな。
工事中なので、やはり原稿を書く仕事にはなりません。
これならばいっそここを留守にして、自主缶詰に入っていたほうがよかったかもしれない。
『天下城』のゲラ直しは初稿上がり待ちとなりましたが、加筆部分については、
作業を進められたはずなので。ちょっと判断ミス。
角川春樹事務所の書き下ろしも、この工事が終わった時点から再開するしかないな。
1941年、中国をめぐって日米間で戦争回避の交渉が続けられていたときのこと。
満州の権益が確保されるならば中国(満州を含まず)からの撤兵は受け入れてもよい、
と考える国家指導層はいないわけではなかった。
でも、東条英機ら陸軍首脳部は強硬に主張した。
「いま中国から兵を退いては、20万の英霊に相済まぬ」
結果、日米交渉は決裂、日本はアメリカの経済封鎖に対抗すべく南方に進出、
同時に真珠湾を攻撃する。
20万の英霊、を、「ふたりの外交官」に置き換えたような、「美しい決意」が
涙声で語られています。逆に言えば、非論理的な信念を語るためには、死者は格好の材料。
おっとそういえば、真珠湾の記念日が明後日(現地時間は明日)だ。
03/12/6
きょうも、夕方の時点で、気温はすでにマイナス8度。雪がまだ降っていないせいで、
例年のこの時期よりも、放射冷却が激しいのでしょうか。寒い。
明け方には、たぶん10度にはなるはず。
新潮社『天下城』担当さん来訪。
来訪の決まったのがぎりぎりだったので、ヘイゼルグラウス・マナーの割引パックは使えず、
担当さんは市街地のホテル泊まり。
でも、『天下城』打ち合わせはヘイゼルグラウス・マナーまで行って、あちらのラウンジで。
小説新潮増刊「警察小説特集号」についても。
その担当さんの話では、この夏(?)、某女性作家さんが、担当の女性編集者さんたちと
女性だけのツアーを組んで、あのホテルに泊まりにきたとか。
小さなホテルですから、うまくタイミングが合えば、全館自分たちで独占使用も可能です。
なるほど、そういう使い方もありか。
勝手な予想。その女性作家さんはいずれ、
あのホテルを舞台にした長編小説を一本発表するでしょう。
きょうから、改装工事。
造り付けの書棚を造るだけのつもりが、工務店さんとの打ち合わせで、どうせならと、
地下の収納庫も改装することにしてしまったのです。先日からの書棚の整理というのは、
じつはその準備作業。
目標として頭にあるのはキング原作『ダークハーフ』の作家の仕事部屋。
03/12/5
外は寒い。寒暖計を見ると、マイナス10度。
『失われた週末』(ビリー・ワイルダー監督、45年)を観る。
DVDを買ったのです。1500円。映画のソフトがみなこの値段なら、わたしは
本を買う調子で、DVDも買うのですが。
『失われた週末』は、重度のアルコール依存症の小説家が、ある週末の体験を通じて、
立ち直ってゆく、という物語。たぶん原作者(C・ジャクソンというひと)の実体験に
基づいたものでしょうが、彼はその後、完全に酒を断つ人生を送れたのだろうか。
わたしはアルコール依存ではないけれども、いくつか、これの依存症かな、と思うものが
ないではない。インターネット依存の度も、最近は高くなっているような気がします。
この依存を断つには、インターネットのない環境に身を置くしかないのでしょうね。
そういう週末を、意識的に作ってみようか。
ともあれ、他人事ではないテーマの映画でした。
朝、もう一度町立病院へ行って、整形外科で診察を受ける。やはり腱鞘炎でした。
深刻なものではないとのことで、安心。痛み止めの飲み薬ももらいましたが、
痛みは我慢して(痛み止めを飲むと胃が荒れるので)湿布薬だけで治します。
夜、来年の環境ワイズユース大学というシンポジウムの件で、関係者と食事をしながら
打ち合わせ。次で二度目になりますが、企画者サイドには、これをいずれ
アスペン会議のようなイベントにできないか、という壮大な夢があります。
話がはずんだおかげで、飲んだワインの量もかなりのものとなりました。
03/12/4
手首の疼痛、もしかしてこれも腱鞘炎なのかな。
昨日よりも痛みがひどくなっているので、朝8時半に町立病院に行き、
整形外科の診察を申し込む。医師の診察開始は10時とのことで、それまでに
レントゲンを撮って待っていたのですが、札幌からの飛行機が欠航で休診となりました。
整形外科の医師は、丘珠8時30分発の飛行機でやってくる、という診療体制らしい。
この町の町立病院の規模にしてこれです。地方はほんとに医者不足。
北海道警察を舞台の警察小説を書き出した以上、道警の裏金(報奨金流用)問題の報道は
見逃せません。昨日は、鳥越俊太郎も果敢にこの問題をレポートしておりましたが。
ところがきょうの北海道議会では、共産党議員が資料を持ち出して質問したのに、
本部長はこう答える。「出所不明の資料について、お答えする必要はない」
高橋はるみ知事の答弁。「本部長が不正はないと言っている以上、
この件を調査する必要はない」
なんと、共産党以外は全会派、この裏金問題を取り上げる意志なし。
それを問題にしないことの利益は、彼らにとっていったい何なのだろう。
また、知事のあの発言は、彼女自身が、出身の通産省でさぞかしこのシステムの恩恵に
与っていたのだろうと想像させます。
この件は、稲葉警部事件よりもはるかに構造的です。
でも、誰も信用しないような嘘を積み重ねてしらばっくれて、それでけっきょく道警の組織は
ほんとうに守れるのだろうか。組織防衛のつもりが、けっきょく組織を解体させないだろうか。
北海道新聞のきょうの朝刊には、裏金で私腹をこやして馬まで買った署長がいる、
という元道警OBの証言まで載っているのに。
日記サイトの「さるさる」で、面白いバトルが始まっています。
かたやフリーライターのK氏、かたや匿名の新聞記者230氏。
いっぽうが相手を「エセ記者」と呼べば、もういっぽうが「カタワ(原文はかっこつき)」と応じる。
サポーターの数ではどうやら、K氏のほうが圧倒的優勢と見えますが。
わたしは野次馬です。
きょうは、またヘルパーさんふたりと一緒に、地下室の本の移動。
書棚を整理していて、20年ほど前に読んだ本の中には、いまでは書棚に置いておくのも
恥ずかしいというものが多少あることに気づきます。
こちらの感受性が変ってしまったのか、著者の正体が見えた、という気持ちに
なってしまったのか。どうであれ、この機会にこれらの本も思い切って処分します。
03/12/3
日経マスターズ『英龍伝』ゲラ直し送り。
『宮崎駿の<世界>』(切通理作、ちくま新書)を読む。
出版から少し時間がたった本です。初版刊行は2001年8月20日。
宮崎駿がどの作品のどんな部分にどのように関わっていったかを、
宮崎駿自身の多くの発言の中から「引用・コラージュし」て、明らかにしています。
情報も豊富で、「宮崎駿がいつから宮崎駿になったのか」、そのことを教えてくれる好著です。
新書ながら、かなりのボリウム。雑誌の特集号を含めて、宮崎駿本の中では、
一番読みごたえがある、と感じます。
『未来少年コナン』が観たくなりました。
マウスの使い過ぎでしょうか、手首に筋肉痛? あるいは関節炎か。
いきなり、とても痛くなった。
いくつかメールを書かなければならないのだけど、この痛みがあるので明日まわし。
明日になっても痛みが引かないようなら、病院に行かねばならないかな。
同じような症状になったひと、いますか?
03/12/2
小説現代『私の青春の一冊』5枚半。
このテーマの原稿を書くときは、その都度「その一冊」が違います。
わたしの映画ベスト・ワン、なんてテーマをもらっても、きっと同じことになるでしょう。
イラクでふたりの日本人外交官が殺害されたことで、気になること。
「彼らの遺志を継いで」とか「彼の志を受け継いで」といった発言。
これではまるで、ふたりはボランティアです。ふたりがまったく自分の意志で、
ブッシュの対イラク戦争に協力し、ブッシュが破壊したイラク国土の「復興」を
手伝っていたように聞こえる。
ふたりは日本の国家意志が引き起こした結果を、国家公務員としてかぶったのです。
もし言うとしても「彼らの任務を引き継ぎ」とか「彼らの役割を受け継ぎ」でしょう。
PC雑誌でこんなコピーを読みました。
「迷惑な話だが、メールにワードやエクセルのファイルを添付して送ってくる友人がいる。
なぜか大事な用件は全部それ。彼に悪気はまったくない…」
汎用ファイル・ビュアー・ソフトの広告なのですが、とても共感。
もうひとつ、広告コピー。
「35oフィルムカメラの規格をデジタル一眼レフに継承する道を、オリンパスは
選びませんでした。従来のフィルムカメラの交換レンズを流用させるデジタル一眼レフでは、
プロを満足させる十分な画質が得られないと考えたからです」
美しい企業ポリシーの披露だけれど、要するにこれまでのユーザーが持っている
交換レンズは、デジタル・カメラを使いたければ捨てなければならないということです。
「プロを満足させる画質を得るため」と言うけれど、断言してもいい。オリンパス・ユーザーの
99パーセントはアマチュアです。軽くて小さいからオリンパスを買ったひとが大部分。
画質は二の次だったはず。いや、ひどく悪い画質とも思いませんが。
なのに、画質を理由に、それまでの規格を屑にしてしまうのか。
どことなく、せっかくの親指シフト・キーボードをままっ子扱いし、
そのユーザーを切り捨てた富士通を連想してしまいます。
書棚を作る工事のため、酪農ヘルパーさんふたりにきてもらって、本を片づけ、棚を移動。
一階のオフィス部分が、俄然、いい仕事スペースに見えてきました。
「引っ越し」を選ぶ前に、やはり仕事場の模様替えはやってみるべきです。
03/12/1
お、師走になってしまいましたか。