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近況03年8月分
『くろふね』再校正のゲラ直し。校閲さんからチェックが入った部分がかなりあります。
表記の統一程度のことなら、機械的に処理してゆけるけれど、史実とからむ記述については、
調べ直したり、前後の整合性を取ったりと、かなりの手間となる。
再校でこんなにも問題点が残っているとは。
このところ連日、紀伊国屋やあちこちの古書店から、注文していた本が届いています。
もう何年もアイデアだけ温めていた歴史小説(歴史冒険小説)の資料。
とりあえずいま、頭のハードディスクに少し空きができたので、具体的な部分の資料を
読み始めようと考え出している次第。いまの段階でもまだ、これが現実味のある
構想なのかどうかはわからないのですが。
昼間、WOWOWで、『ブレイブハート』のメイキング映像と、中世史専門家による
映画『ブレイブハート』についてのコメントが流れておりました。そのあと、映画本編。
歴史家たちのコメントを聞くと、シナリオライターは、かなり大胆な史実の改変を
やっていたらしい。コンセプトを要領よく伝えるため、というよりは、予算と時間の制約で。
歴史映画を撮るというのは、やはりなかなか大変なことのようです。
意外だったのは、モブ・シーンに動員されたエキストラの数。
アイルランド軍の兵士1500だったとか。
これに俳優やスタントマンたちが2、300人加わったとしても、
せいぜい2000弱の人数であの会戦シーンが撮影できたのですね。
『HERO』も楽しみにしている映画ですが、これはエキストラ400人にCGとか。
大画面で観たいところです。
03/8/31
朝から快晴。素晴らしい秋晴れです。空気も乾きました。
仕事場から、北の山並みがくっきりと見えて、大陸の高原を連想させる眺め。
この天気を待ちかねていたかのように、周辺の牧場では二番草の刈り取りが始まりました。
角川書店編集担当さんが『くろふね』の再校ゲラとカバー、それに束見本を持って当地へ。
担当編集さんは、すぐに釧路へ向かうとのことで、空港からバスターミナルへ移って、
ターミナル近くの喫茶店であわただしく一時間ほどの打ち合わせ。
『くろふね』の束見本、けっこうな厚さになりました。連載は1年1カ月でしたが、
本のかたちにしてみると、なかなかに大作感があります。
題字は、黒田征太郎。
この再校ゲラの戻しは火曜日。
こちらのゲラとはべつに、『ユニット』再校ゲラのチェック継続。
夜、友人宅で、火星と焚き火を見ながら、お酒と食事。
料理のほうでわたしが担当したのは、パエリアです。
去年パエリア・パンを手に入れて作り出した当時は、
作るたびに「これは、おじやだ」とか「混ぜご飯だ」とか、ひどく悪評だったのですが、
どうやら最近は出来上がりも安定してきました。
そのうちにこのサイトで自慢しよう。ページ名は「牧場のレシピ」なんてどうだろう。
03/8/30
コラム2本執筆。
『男の隠れ家』タイアップ・ショート・ストーリーのゲラ直し。
『ユニット』再校ゲラ直し。
明日は、角川書店担当編集さんが、『くろふね』の再校ゲラを持って、
こちらまで飛んできてくれるとのこと。北海道内でもうひとつ用事をすませるというので、
それならちょっぴり気持ちの負担も軽い。きていただくことに。
ブラックホール・カー、やっと直ってきました。
ウォーターポンプがこれだけ破損を繰り返したのは、ラジエーターのファンの軸がずれていた
せいだったとのこと。このファンを取り寄せて交換、きょう、修理済みとして届いた次第。
修理費をおそるおそる訊くと、要りませんとのことです。ほっ。
『ベルリン飛行指令』の翻訳の件で、翻訳者さんから質問がきて、
まだ調べがついていない部分がいくつかあります。
きょう一気に片づけようと思っていたのですが、
そこまで手が回らなかった。翻訳のほうは着々と進行しているのですが。
03/8/29
『武揚伝』文庫第4巻ゲラ直し終了。昨日に続いてきょうも空港から発送。
わたしの昨日の集中力は、ちょっとしたものでしたよ。
今月中に、まだ再校ゲラの直しが2本。
昨日書いた某メディアからの原稿依頼の件、きょう手紙で正式依頼(指示?)がきました。
やはりわたし、電話では細かなことは話していなかったようです。
この書面、「×××執筆者の皆様へ」と題されたもので、
わたし個人宛のものではありません。
原稿提出にあたっての条件がいろいろ記されていて、最後にこうある。
「必ず、以上の5点をセットで原稿を送ってください」
じつを言うと、これ、とある義理で書かなきゃならない原稿です。
メディアから電話があった時点で、検討・判断の余地はなかった。
ボランティアとしての寄稿のつもりだったのだけど、なんだか妙に萎えますね。
この「指示書」を受け取った印象を説明するのは難しいけど、
監督官庁から報告書を出せと命じられた、村役場の職員のような気分です。
わたしが、こういうことに過敏すぎるのかな。
どんな原稿であれ、書くときは気分よく書きたいものですが。
03/8/28
上湧別までドライブ、なんてことを昨日は考えましたが、カレンダーを確認したら
とてもそんな余裕はなかった。朝、空港から航空貨物でゲラ発送、
仕事場にもどって、ずっと『武揚伝』文庫第4巻のゲラ直しをしておりました。
昨日、とあるローカル媒体から原稿依頼の電話があったのだけれど、
例のとおり仕事中の電話なので、上の空で受け応え。
電話を切ってから気がつくと、担当者の名前や連絡手段等、覚えておらず、
締め切りや、原稿渡しの方法(ファクスかeメールか)といった肝心なことも、
何もやりとりしていない。
こういうときはたいがい、何度もミスをやってきた経験から、
「忘れるといけないので、要件を整理してファクスかeメールを送ってください」と
言うことにしているのですが、昨日はそれも言い忘れている(はず)。
丸一日たってもファクスもeメールも届かないのだから、相手はあれですっかり
原稿依頼手続きは済んだつもりなのだろうな。
媒体名は覚えているけれども、編集部の電話番号を調べて電話して、
担当はどなたですかと聞くのもお恥ずかしいし、だいいち面倒。
気分としては、仕事からは逃げたいので、このまましらばっくれることにしたいのですが。
さて弱った。
こう書いてくると、老人性痴呆症かと思えるでしょうね。
過集中のせいだと思います。
テレビ・ニュースを 観ていて、どうにも居心地が悪くなる映像のひとつに、
数人の男たちが手を重ね合わせて、団結とか友情とかを示しあっている情景があります。
国内のニュースであれば、そういうポーズを要求するのはだいたいその場の
報道カメラマンたちなのでしょう。
たぶん当事者たちも、手を重ねてください、と要求されて、
拒むのも大人げないと思うから、しかたなくポーズを作る。
でも、そんな映像に何の価値があるのか、ださいとは感じないのか、と思ってしまうのですが。
こんどの北京での六カ国協議でも似たような映像。
おいおい、まだ会議は始まってもいないのに、誰がそんなポーズを要求したのだ、
と思ったら、中国代表だと言う。
あの手の重ね合わせが中国の習慣とも思えないので、彼は日本のニュース映像に
ならったのでしょうか。
その手の映像、メディアも取り上げるのを止めたらいいのに。
93年でしたか、アラファトとラビンがワシントンで和平を話し合ったとき、
結果を発表する席でクリントンが、握手してくださいよ、とふたりをうながし、
しぶしぶふたりが握手するという情景があった。
映像に記録し報道するに値するのは、そういう場合だけだと思うのですが。
03/8/27
だらだらと過ごすのではなく、きちんとメリハリのついた休みを取ったほうがいい、
とは思っているのです。
きょう、『英龍伝』送稿、『武揚伝』文庫第3巻再校ゲラ直し終了。
今月はまだたっぷりと仕事はあるけれど、明日はオフとして、航空貨物でゲラを送ったら、
上湧別という町までドライブにしようかと、ちょっと考えています。
レンガの建物が数多く残る町だというので、
EastSideという雑誌の記事を読んでから、とても気になっている。
片道3時間ぐらいのドライブのようだし、明日の天気次第かな。
月刊プレイボーイ10月号に、ジャーナリスト田中宇氏のインタビュー記事が載っています。
9・11のあとから、わたしは彼のサイトをけっこう読むようになっていましたが、
知るひとぞ知る、という知名度のジャーナリストだと思っていた。
でも、プレイボーイの記事によれば、彼のメールマガジン(無料)の購読者は18万人というからすごい。
わたしが読んでいるのは、マガジン配信の二日後に記事がアップされるサイトのほうです。
ご本人も認めているように、田中氏の国際情勢分析は、やや陰謀史観的な印象を受けます。
けれども、日本のふつうのマスメディアでは取り上げられない
事象・事件への言及が豊富で、英語で国際ニュースを読むのがつらい身には、
ありがたい要約が多い。それにしても、購読者数18万人!
田中氏は、ネット上でニュースを読み、自分自身の解説・分析記事は、喫茶店をハシゴしながら
モバイルギアで書いているそうです。イラクなどへの現地取材は年5、6回。
この仕事のスタイルにも、ちょっと惹かれるものがあります。
インターネットの時代のフリージャーナリストの、ひとつのありかたといってよいのだろうな。
03/8/26
夜から雨。雰囲気としては、もう完全に九月の雨です。
やはり今年は、夏はこなかった。
今朝、あちこちから、あの件でメールしましたが、お返事いかがでしょうか、と問い合わせ。
わたし、先週はメールを開いたはいいが、ほとんど記憶しないまま
放置してしまったようです。あわててそのメールを再度開いて読んでお返事。
何かほかにも大きなポカをやっていないといいのですが。
03/8/25
どうにかかなりの時間、仕事に集中できるようになりました。
今夜は近所の酪農家さんのギャラリーで、ミニ・コンサートがあったのでした。
欠席すると連絡しないままにしてしまったけれど。
『検証邪馬台国論争』(関裕二・ベスト新書)を読む。
特別な邪馬台国フリークというわけでは全然ないのですが、
いま研究がどこまで進んでいるのか、という程度のことは知りたいと思っていまして。
この新書は、歴史的な邪馬台国論争を要領よく解説しながら、
「邪馬台国はどこにあったか」ということよりも、「大和朝廷とはどう関係するのか」という
古代史の謎について、じつに魅力的な仮説を提示する面白い本でした。
少し前、『魏志倭人伝二○○○字に謎はない』(相見英咲・講談社)っていう本も
読んだのですが、こちらは文章がやたらに思わせぶりで、
確かに緻密な解釈はあるようなのだけど、結論がなんだかよくわからない。
文章に閉口しているうちに、肝心な記述を読みとばしてしまったのかもしれませんが。
出た当時、書評を読んだ記憶もないので、トンデモ本の扱いなのかな。
前者『検証邪馬台国論争』の中身を要約すると、こういうものです。
「『魏志倭人伝』の文章からは、邪馬台国がどこにあったかを特定することはできない」
「邪馬台国は九州北部・筑紫平野にあり、同時期、畿内には首長国連邦ヤマトがあった」
「卑弥呼は、倭国の女王を僣称した。そのために、畿内のヤマトは卑弥呼と
戦った。そのとき畿内から九州に派遣されたシャーマンが、トヨである」
「畿内ヤマトの前線基地となったのは、九州の日田市付近」
「トヨの息子のひとりは日向で育ち、後に内紛のヤマトに迎えられて神武天皇となった」
著者は、各地の神社の伝承と日本書紀・古事記とを比較し、
上記の仮説に至っています。各地の神社に伝わる伝承というものを
そもそもまったく知らないので、この仮説がどの程度に妥当なのかはわかりません。
でも、邪馬台国論争が史料解釈論争以上のものに感じられてきます。
シェークスピアっぽい物語ができそうじゃないですか。
03/8/24
まだ気力が完全回復しておりませんでした。
いったんみなぎったようにも思ったのですが、小反落というところです。
ま、この数カ月の仕事で、自分の限界もわかったので、よしとしましょう。
明日は、15枚は書くぞ。あ、『武揚伝』文庫第3巻の再校もあったか。
『運命の女』について、少し考えたこと。
マンハッタンとロングアイランドが舞台の不倫映画ということで、いやおうなく
わたしは『恋に落ちて』を思い出していました。あちらは『逢う時はいつも他人』のリメイク。
『運命の女』のほうは、クレジットを見ると、スペイン映画のリメイクのようでしたが。
『運命の女』でダイアン・レインが乗るのは、トヨタのランド・クルーザーです。
明らかに不似合いな組み合わせなのですが、じつはこれが効いている。
彼女は、この車で、フリーウェイの分岐点まできて、
すでに方向変換すべきではないところまで進んでから、パイロンを吹っ飛ばして、
マンハッタン方向の車線に飛び込んでゆきます。
『恋に落ちて』のメリル・ストリープは、ホンダ・シビックに乗り、
雨の日でしたか、デ・ニーロに会うために車を走らせる。
ちょうど踏み切りで遮断機が下りてきて、メリル・ストリープは一瞬ためらった後に、
急ブレーキを踏んで、踏み切り強行突破を思い止まります。
結果として、悲劇を避けることができた(離婚ぐらい、悲劇ではありません)。
これがもしランドクルーザーだったら、メリル・ストリープもやはり遮断機を
吹っ飛ばして、列車の前を横切っていったことでしょう。
それ以降のストーリーは、まるでちがったものになった。
不倫映画と書きましたが、厳密には『恋に落ちて』は、
配偶者のある者同士の純愛映画。性関係は最後までないのです。
でも、シビックで踏み切りを突破していたら、あれは純愛映画のままでは終わらなかった。
『運命の女』をこの結末にしないためには、ダイアン・レインには何に乗せるべきだったか、
と考えます。相手がフランス人なのだし、プジョーにでも乗せていれば、
軽い不倫で少しだけ傷ついた女の話、で終わっていたかもしれない。
小型のイタリア車か、マツダ・ミアータでもよかったかな。
03/8/23
体調と精神状態は、ゆるやかに回復基調。底堅さに若干不安はあるものの、
中期的には上向きです、と、日銀の景気判断みたいな表現ですね。
まだ仕事に復帰してはおりませんが、明日には再開できるでしょう。
もう日経マスターズつぎの原稿の時期です。
調教に出していた子馬の次郎が、もどってきました。
上級者なら乗れるところまでは行きましたが、まだ初心者が乗るのは無理。
もう少し、仕事場付属の馬場で、調教師さんに通ってもらって、
乗用馬として使えるところまで訓練します。
休んでいるあいだ、ビデオのまとめ観。
面白かったのは、
『コレリ大尉のマンドリン』
『ストーカー』
『運命の女』
『運命の女』はきょう観たのですが、フランス人古書店主のアパートのセットが
魅力的でした。店舗を持たないのですから、インターネット古書店なのでしょうか。
わたしも、あのぐらいのスペースに本棚を並べて暮らしたいものです。
壁一面の書棚ではなく、不揃いの高さのちがう棚を床に並べている、
というセンスがよかった。
ダイアン・レインは、あの空間にも惹かれた、ということなのでしょうか。
そういう感受性を持つ女性なら、多少の不道徳は許す、
という気になってしまった。一般の観客も、同じように観たのでしょうね。
ジャンク・メールで、差出人がJoまたはJo Joというものが
よく入ってくるようになりました。本文は文字化けしているので、
何が書かれているメールかわかりませんが、不特定多数にも送信されているようです。
わたしが出したものではありませんので、変なファイルが
添付されているようでしたら開かないでください。
03/8/21
ご心配おかけしたかもしれません。
14日に『くろふね』ゲラ直しを送ったあと、もう仕事を続けられる状態ではなく、
この数日、生産的なことは何ひとつせずに休んで、体力と気力の回復を
待っておりました。
きょうはどうにか、PCの前に腰掛けることはできますが、仕事にかかれる頭ではなく、
このとおり、ウォーミング・アップ代わりに、サイトのデザイン変更などやっておりました。
表紙にフレームをつけましたが、リンク先から表紙にもどるとき、
右のフレーム内に表紙全体が表示されてしまう、という部分がまだ残っていそうです。
おいおい修正してゆきます。
blogという現象(それともツールとか、サイト運営システムと言えばよいのか)が、
このところ、PC雑誌の特集によく取り上げられています。
いわゆる時評系の日記サイトに、掲示板がついたようなもののようですが、
いまひとつ、わかったという気になれない。
そもそもこのblog、だいたいが同じソフトを使うようなのですね。ところが、
たとえばMovableとかいうソフトを使ったサイトだと、ブラウザがNetscape4.78の場合、
きちんと表示されない。
おかげでわたしは、いまだにblogの基本的な画面がどんなものかも、
よくわからないままです。
じつは、この「近況」も、業務連絡というよりはだんだん日記に近いものになってきたので、
無料の日記サイトに移ろうかと考えたことがあります。日記サイトだと、
ホームページ作成ソフトを使わなくても、掲示板に書き込む要領で
原稿をアップできるので、モバイルノートさえあればどこからでも
近況の更新ができる。
問題は、長期間のデータの保存ができないことで、保存するためには、最初に
ワープロソフトなりで原稿を書き、バックアップした後にアップしなければならない。
これはけっこう手間です。で、現状のままを選んだ次第。
ちなみに、わたしが毎日読む時評系の日記サイトのひとつに、
同業大石英司氏のこのサイトがあります。
無料でも読めますが、わたしは同じ中身のメールマガジンの、
読者となっています。1カ月300円。1日10円分の価値は十分にある時評です。
03/8/20
友人から指摘がありました。近況の今年の7月分、6月分がリンク切れ。
確認するとそのとおりで、再度リンクを貼り直してみたのですが、
どうしてもうまくゆかない。ファイルは確実に存在し、ソフトのほうでも、リンクは
なされていることになっているのですが。
使っているソフトは、ホームページビルダー2001。
どなたか、このトラブルの原因と対策がわかれば、教えてください。
(15日深夜0時半になんとか復旧したようです。まだリンクが切れている場合は、
ご一報を)
『くろふね』のゲラ直し、一日遅れたので、空港に直接持ち込み、
航空貨物で発送。これなら翌日配達。明日届きます。
世間はお盆休みだというのに、担当編集さんは待っていてくれるので。
ちょっと、へたっています。
03/8/14
『くろふね』ゲラ直し、昨日のうちには終わらず、きょうまで。
03/8/13
昨日書いた二風谷ダムの件、北海道新聞の昨日の夕刊では、すでに指摘されていた
ことでした。夕刊は、翌日郵便で配達されるので、読んでいなかった。
記事によれば、二風谷ダム下流の治水設備の容量は、毎秒3、850立方メートルを
最大放水量と想定している。なのに、二風谷ダムは、ダム決壊の恐れありとして、
豪雨のさなか、最大毎秒5、489立方メートルを緊急放水した。
下流域の治水設備の容量を超える量を放水するのですから、結果はわかりきっている。
記事はもう少し詳しく数字で解説していますが、緊急放水開始時期や放水量の
判断についても、開発局の責任は免れないでしょう。
それにしても、誰もが思うはずだけれど「何のためのダムだったの?」
『くろふね』ゲラ直し続行。
妙に気分が落ち着かず、正体不明の不安。
トランキライザー2錠飲んでも、明るくなれない。なんだろう。
せっかく昨日、仕事場の敷地問題解決の目処がついたというのに。
03/8/12
昨日はろくにニュースも観なかったので呑気なことを書いてしまいましたが、
台風10号の被害、日高と十勝がひどいことになってますね。
だけど、沙流川の氾濫なんて、あれだけの反対を押し切って二風谷ダムを造っておいて、
それが何の役にも立たなかったということですか。
ダムができたから、下流域の治水対策は低いレベルで止めることになったのでしょうに。
『くろふね』ゲラ直し。
仕事場の整備構想で、設備業者さんと相談。
裏庭をデッドスペースにしている合併浄化槽を、とにかく移動させようということになりました。
これを敷地の端に追いやれば、庭の裏手にはかなりの広さのスペースができる。
小屋も建てられるし、馬のための設備も増設できる。
費用がかなりかかりそうだったので躊躇していましたが、相談したところ、
安くあげる方法があった。というわけで、今年じゅうにまず浄化槽を掘り起こして移動。
ついで、来年春に庭木の一部を植え直します。
どうせデッドスペースならと、かなりの数の樹木を植えて、これがずいぶん成長している。
四年かけて育った木ですから、切り倒すのは惜しい。
それで植え替えシーズンである春先まで待って移植し、
できるだけ広く増築スペースを確保する。
馬具小屋やら馬の枠場造りは、それからの作業ということになります。
この問題はわたしの人生をずいぶん暗いものにしていたのだけれど、
きょうの相談で、少しだけ気分が晴れたかな。
03/8/11
台風は未明に当地を通過しました。明けてみたら、もう秋の空。
今年はとうとう夏は来ずじまいでしたね。
『くろふね』ゲラ直し作業開始。
まずざっと目を通しましたが、ずいぶん疑問の付箋がついてきています。
新聞にはもう掲載されてる原稿なのだがなあ。
慶応4年正月の紀淡海峡海戦の日付を、わたしは1月3日(『戊辰戦争全史』ほか)として、
『武揚伝』にも書いたし、『くろふね』でもそう記述してきた。でも、ここに付箋。
維新史の概説書などには1月4日と記すものがあるのですね。
『武揚伝』文庫版のゲラでも、校閲さんからそういう疑問がついてきた。
こっちを採る概説書が多くなっているのだろうか?
戊辰戦争はいつ開始されたのかか、という問題とのからみもあるので、わたしも譲れない。
『ファンタジービジネスのしかけかた あのハリー・ポッターがなぜ売れた』
(野上暁+グループM3、講談社)を読む。
ハリー・ポッターは読んだことがなく、映画も観ていないのですが、現象には興味があります。
本書の著者とそのグループは、原作の文学的、あるいはファンタジーとしての価値は評価せず、
なのになぜ売れる?という問題意識からこの考察をまとめています。
本書の結論。
「ハリー・ポッターは、時代の要請を巧みに受け止めて」「そこに仕掛け」た「巧妙なメディア
戦略の奇跡的な成功例のひとつではないか」
ベースにあるのは、世界的なRPGの人気である、としています。
著者たちは、このメディア戦略の一環として、朝日新聞が果たした役割について
疑問を呈している。「いれこみようは格別」「数度にわたって大々的に取り上げる」
「朝日新聞がこれほどまでにハリポタの宣伝の片棒を担がねばならない深いわけでも
あるのだろうか?」
日本語版第1巻の発売後10日の時点で、朝日新聞はすでに、ハリー・ポッターを
紹介する記事を掲載しているそう。7段という扱いですから、かなり目立ったことでしょう。
この記事には、四人の有名人の読後評も併載されていたそうです。
つまりこの紙面は、事前に準備されていたものであり、
厳密には記事に見せかけた広告でしょう。編集部は、持ち込まれた企画に乗った。
また、通常紙面のほか、影響力の大きい『天声人語』も、2回取り上げているのだとか。
1回目は、翻訳が素晴らしい、と絶賛。著者たちはこれにも首をかしげる。
著者たちの見方によれば、この翻訳は文体が統一されておらず、明らかに複数の
翻訳者が関わったもの。しかも、問題が多く「そうすばらしいとは思えなかった」
こうも皮肉っています。
「天声人語氏は忙しくて本をちゃんと読み通していなかったのかもしれない」
翻訳については、こうも書く。
「まわりの編集者、図書館関係者など、ふだんから本を読みつけてつけている者たちの
中でも、非常に読みにくい、という感想が多かった」
編集者までが「非常に」読みにくいという翻訳を、子供はほんとうに楽しんでいるのだろうか。
また、読んでいないわたしにも、原作者と翻訳者にまつわる感動のサクセス・ストーリーは
耳に入ってきました。その伝説の意識的流布も成功の一因だろうと、著者たちは
分析しています。
子供の読者なら、そんなことはどうでもいい情報のはずですから、
著者たちが推測するように、子供たちよりも、大人が読者の中心なのかもしれない。
とくに、20代30代のママたちでしょうか。
どうであれ、世界でも日本でも、このマーケティングは見事に成功していますね。
ちなみに、斉藤美奈子は、「分析は、お手上げだ」としたうえでこう書いている。
「『いい本だから売れた』のでしょう、きっと」(『趣味は読書。』)
03/8/10
外は雨。夕方には、猛烈な雷雨。加えてこの嵐の中、矢臼別演習場では一日中
自衛隊の実弾砲撃訓練。砲弾の炸裂音と地響きに、犬が脅えきっておりました。
気持ちを切り換えるため、仕事場の清掃。
『ベルリン飛行指令』翻訳家さんからの疑問に対して、記述の再検証作業。
笠原和夫の遺稿集が出ています。
『映画はやくざなり』(笠原和夫、新潮社)
中でも、『秘伝 シナリオ骨法十箇条』という章が圧巻です。
これはもともと、北野武の監督作品『あの夏、いちばん静かな海。』の
批評として書かれた文章だそう。
この作品に対して笠原和夫は、「あまりのつまらなさに吃驚し」
「北野武氏の監督ぶりに心底腹が立」ち、「怒り心頭に発した」という。
その勢いのまま書かれた批評文に手を入れて、シナリオ執筆のための基本セオリーを
まとめたものがこの章。
なにより物語を語りたいと願う小説家にとっても、
きわめて実用性の高い手引きになっています。
いやはや、笠原和夫って、つくづく凄い脚本家だったのだなと、あらためて思う。
03/8/9
日中はかなりの強い雨。やはり台風のせいでしょうね。
夕方からいっとき上がりましたが。
車のことについて、知人たちからいろいろアドバイス。
みなさんが心配してくれるとおり、遭難死か生き残るかという水準の話なのですよね。
知人も同じ型式の四輪駆動車に乗っているけれど、こちらはまったく快調だそうで、
わたしは「悪いのに当たった」と思うしかないのだろうか。
日経マスターズ『英龍伝』ゲラ直し送り。
歴史街道『日本開国・浦賀奉行所の機転』ゲラ直し送り。
北海道新聞コラム、ゲラ直し送り。
明日から、『くろふね』ゲラ直し。
角川春樹事務所『警官仕立て』(仮題)に向けても、
あらためて気分を高めて行かねばならない。
『大道商人のアジア』(和賀正樹、小学館)を読む。
アジア各地の大道商人からの聞き書き集。
文化人類学的フィールドワークで造られた本ですが、視点は対象と同じ路上にあります。
こんな商売があるのか、という驚きもあり、全体を通じて「豊穣なるアジア」が見えてくる好著。
著者は某大手出版社の編集者で、有給休暇だけを使ってこの本を造ってしまった。
夜、近所の酪農家さんが造ったトレーラー・ハウスのおひろめ。
03/8/8
北海道新聞コラム3枚送稿。
台風の影響がもう出ているのだろうか。それとも冷夏が続いているだけか。
日中は小雨。
『「拉致」異論 あふれ出る「日本人の物語」から離れて』
(太田昌国・太田出版)を読む。
帯のコピーはこういうものです。
『拉致家族だけが゛国家の虜囚゛なのか?
「救う会」の煽動政治的発言と嵐のような排外主義に抗して』
刺激的なコピーではありますが、ようやくこういう冷静な発言が出てきたかという印象です。
03/8/7
上京しておりました。
4日、文芸春秋担当編集さんに『ユニット』ゲラ直しを渡す。
5日、中央公論担当編集さんに『武揚伝』文庫版第3巻ゲラ直しを渡す。
合計900ページ分のゲラを持っての上京でしたので、渡したあとの解放感は、
格別のものがありました。物理的にも精神的にも、ほんとに肩が軽くなった。
4日夜は、週刊新潮編集部と『天下城』完結の打ち上げ。
二次会は久しぶりの文壇バー。
5日は、新潮社書籍編集部と、食事をしながら『天下城』の進行打ち合わせ。
二次会は、先週のAERA『民主・自由合併』の記事にも出てきた銀座のバー。
5日夜に行った店は、もともと新宿ゴールデン街にあったのですが、
ジャーナリストや物書きの客が多かったので、書き手の懐具合に合わせて銀座進出。
店の名付け親は船戸与一。
これから『くろふね』ゲラ直し。
今年がペリー来航150年ということもあって、『くろふね』というタイトルで始めましたが、
中身を端的に語るなら、タイトルは『三郎助』がいい。
ただ、これだと中島三郎助を知らないひとは、手に取って読んでくれないでしょうね。
タイトルについては、もう少し担当さんと一緒に考えねばなりません。
『映画の構造分析・ハリウッド映画で学べる現代思想』(内田樹・晶文社)を読む。
ぱらぱらとめくって『エイリアン』の分析が目についたので、買ってしまいました。
サブタイトルから想像がつくとおり、けっこう手ごわい。
『エイリアン』はともかく『大脱走』の分析には、呆然としてしまいます。
あれは、そんなふうに読み解かれるべき映画だったのか!
第3章の「アメリカン・ミソジニー、女性嫌悪の映画史」というパートも新鮮で刺激的でした。
『教養主義の没落』(竹内洋・中公新書)を読む。
著者が教養人をイメージするとき、それは一般的な漱石や森欧外(当て字)ではなく、
前尾繁三郎や木川田一隆といった実務型の教養人です。
だから、教養主義の敗北について書いていても、著者自身は教養主義に対しては、
基本的に温かい。とくに、教養主義の土壌としての対面的人格関係については、
全面的に肯定しています。
著者は教養主義のキーワードをいくつも挙げます。
旧制高校文化。地方出身者的・農村的エートス。修養主義。
岩波翻訳文化。西洋文化崇拝。
前尾繁三郎はともかく(よく知らない)、教養主義者って、
そんなに格好いいものではない、というのが、わたしの読後感。
いや、前からずっと教養主義的文化人(わたしの同時代の)には赤面する想いを
感じていたのですが、この新書で納得できたというところか。
ブラックホール・カーのトラブルは、やはりまたウォーターポンプ。
「ふつうはこんな壊れ方はしないのですが」と整備士さんは言います。
さあて。
03/8/6
『ユニット』ゲラ直し終了。
『武揚伝』文庫版第3巻ゲラ直し。
こちらは第1巻のように改訂したわけではないので、わりあいはかどっていますが。
朝一番で車のディーラーさんと連絡を取り、停めてきた四輪駆動車を
トラックで取りに行ってもらいました。
修理ができたところで、買い換えを相談しなくてはならない。
でも、値段はつきません、と言われそうな気がするな。
あと1回の修理でせめて向こう1年間は乗れないものかと思います。
だったら、なんとか我慢するのですが。
代わりの車の相場などを検索していて、中古車情報館という千葉のディーラーさんの
サイトに行き当たりました。業者オークションでの買値を公開している業者さんです。
お、けっこう安く手に入りそう、と思ったけれど、千葉から陸送していたら、
けっきょくかなりの額をプラスすることになりますね。残念。
03/8/2
今夜は10キロほど離れた集落でお通夜。読経が終わるのを待たずに
お寺を出てきたのですが、帰り道、水温計がみるみるうちに上がってレッドゾーン。
オイルのインジケーターも赤く点灯。オーバーヒートです。
夜道の脇に停めて、少し冷やしてみたけど、駄目。
エンジンをお釈迦にしてしまうわけにはゆかないので、それ以上は動かせません。
また、こういうときにかぎって携帯電話を忘れている。ふだんとはちがう格好で
出ていったものですから。だから救援は呼べない。
けっきょくヒッチハイクで帰ってきました。45分待って、通った車はたった2台。
1台目の車は停まってくれなかったけれど、2台目のドライバーは帰省中の学生さんで、
停まって乗せてくれた。
これが真冬だったら、ほんとうに生命に関わるレベルのトラブルです。
もし今度のオーバーヒートの原因もウォーターポンプだったら(2年半で4回目ですから)、
わたしは今度こそ決心します。こんな車にはもう乗らない。遭難したくない。
『ユニット』ゲラ直し。意外に直すべき箇所がありました。終わっていません。
03/8/1